イスラエルによるレバノン空爆が激化し、多くの犠牲者が出ています。ベイルート南部では、まるで巨大なクレーターのような穴が街の中心に開いています。これは、イスラム組織「ヒズボラ」の最高指導者、ハッサン・ナスララ師が潜んでいた地下施設を標的にした攻撃によるものと言われています。一体何が起きているのでしょうか?jp24h.comでは、この悲惨な現状と今後の展望について詳しく解説します。
地中深く貫通する「バンカーバスター」の破壊力
今回の空爆で使用されたとされるのが、米国製の地中貫通爆弾「バンカーバスター」。その破壊力は広島型原爆に匹敵するとも言われ、地下8階まで貫通してナスララ師を殺害したと報じられています。現場を撮影したカメラマン、ラムジー・マンスール氏の証言によると、80発もの「バンカーバスター」が使用され、ビルは一瞬で吹き飛んだとのこと。この攻撃により、ナスララ師は窒息死したと見られています。
ベイルート南部ダヒエの空爆被害
この「バンカーバスター」以外にも、イスラエル軍は2000ポンド級爆弾「MK-84」など、破壊力の高い兵器を多数使用しています。国際ジャーナリストの山田敏弘氏によると、これらの兵器の約7割は米国製であり、さらに米国からの衛星画像や西側諸国の情報機関からの高精度な情報提供も受けているとのこと。軍事力と情報戦の両面で、イスラエルは圧倒的に優位な立場にあると言えます。
イラン介入の可能性と米大統領選の影響
今回の紛争で懸念されるのは、ヒズボラの後ろ盾であるイランの介入です。すでにイランはイスラエルに向けてミサイルを発射しており、イスラエルも反撃に出ています。山田氏は、両国間の戦争状態に発展した場合、イランが核兵器開発を加速させる危険性を指摘しています。
今後の情勢を左右する重要な要素として、米大統領選が挙げられます。もしトランプ氏が再選されれば、イスラエルとの停戦合意に向けて動く可能性がありますが、バイデン政権の路線を継承するハリス氏が勝利した場合、停戦は難航する可能性があります。
中東情勢の悪化と今後の展望
イスラエルとハマスの戦闘は昨年10月に始まり、ガザ地区やヨルダン川西岸地域に拡大しました。そして今年9月下旬からは、レバノンへの空爆も開始されました。これは2006年以来のことです。
レバノン空爆の背景には、「ハマス」と連帯してイスラエルを攻撃した「ヒズボラ」の存在があります。イスラエルは「ヒズボラ」の拠点を標的に大規模な空爆を行っており、これまでに2300人以上の市民が犠牲になっています。
レバノン空爆後の街の様子
中東情勢は混迷を極めており、今後の見通しは不透明です。一刻も早い停戦と和平の実現が望まれます。