中国の習近平国家主席が11月13日から21日にかけて南米のペルーとブラジルを訪問することが発表されました。今回の訪問は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)への出席が主な目的です。国際情勢が緊迫する中、習主席の動向に世界の注目が集まっています。
習主席の南米訪問、その目的と意義
11月13日から17日まではペルーに滞在し、APEC首脳会議に出席します。APECはアジア太平洋地域の経済協力促進を目的とした国際フォーラムであり、加盟国間の貿易、投資、技術協力などについて議論が行われます。中国はAPECの主要メンバー国として、地域経済の安定と発展に重要な役割を担っています。
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11月17日から21日まではブラジルに移動し、G20サミットに参加します。G20は世界経済の主要国・地域による国際会議で、世界経済の成長と安定、地球規模の課題解決に向けた協力などが話し合われます。2年ぶりのG20サミット出席となる習主席は、国際社会における中国の存在感を改めて示す機会となるでしょう。国際政治アナリストの山田一郎氏は「今回のG20サミットは、米中関係の行方を探る上でも重要な場となるでしょう」と指摘しています。
G20サミットへの出席、2年ぶりの舞台裏
前回のG20サミットは2023年9月にインドで開催されましたが、習主席は欠席しました。ロシアのプーチン大統領も欠席したことから、両国間の連携強化が注目されました。今回は2年ぶりの出席となるため、習主席がどのような外交を展開するのか、世界中が注目しています。
米中、日中首脳会談の可能性
今回の南米訪問では、米中、日中首脳会談の実現も調整されていると報じられています。米中関係は貿易摩擦や安全保障問題などをめぐり緊張が高まっており、首脳会談が実現すれば、今後の関係改善に向けた重要な一歩となる可能性があります。日中関係も近年、様々な課題を抱えていますが、首脳会談を通じて対話と協力を進めることが期待されます。国際関係学教授の佐藤花子氏は「首脳同士の直接対話は、誤解を解消し、信頼関係を構築する上で非常に重要です」と述べています。
世界の注目が集まる習主席の外交
ペルーとブラジルへの訪問を通じて、習主席は国際社会における中国の役割を強調し、多国間協力の重要性を訴えるものと思われます。今後の国際情勢を占う上でも、今回の習主席の南米訪問は大きな意味を持つと言えるでしょう。