この記事では、大分市で発生した時速194キロの死亡事故における危険運転致死罪の適用について、橋下徹氏の意見を中心に解説します。国民の法感覚と裁判所の判断のずれ、そして司法制度における民意の反映について考えてみましょう。
時速194キロは危険運転?橋下氏の疑問
2021年2月、大分市で時速194キロの速度で車を運転し死亡事故を起こした男の裁判員裁判が注目を集めています。被告側は危険運転致死罪ではなく、過失運転致死罪の適用を求めて争う姿勢を見せています。この件に関して、橋下徹氏は「時速194キロで走っていて危険ではないんですかね?」と疑問を呈し、裁判所の判断と一般国民の感覚との乖離を指摘しました。
alt
橋下氏は、裁判所は過去の判例に基づき、速度だけでなく当時の運転状況も考慮すると説明しつつも、「一般の感覚からズレていると思う」と述べています。
国民感覚とズレる判決、その背景とは
橋下氏は、国民感覚と裁判所の判断がズレている事例は他にもあると主張します。例えば、ネット上の誹謗中傷で名誉毀損が認められたとしても、慰謝料は30~50万円程度にとどまるケースが多いことを例に挙げました。
司法の独立性を保つため、裁判官は選挙で選ばれません。しかし、橋下氏は内閣による最高裁判事の任命や、国民審査といった制度を通じて、民意を司法に反映させることができると指摘しています。
国民審査で民意を反映?
国民審査は、最高裁判事の罷免を求めるかどうかを国民が判断する制度です。橋下氏は、最近の国民審査で反対票が増加した背景には、同性婚や選択的夫婦別姓に関する最高裁の判断への国民の不満があると分析しています。「国民の感覚からズレている」と感じた判決に対して、国民審査で意思表示をする重要性を強調しました。
alt
法律の改正も必要?橋下氏の提言
フジテレビ解説委員の松山俊行氏は、危険運転致死罪と過失運転致死罪の中間の量刑を規定する新たな罪状の創設を提案しました。これに対し、橋下氏は「法律もしっかりつくり直さないといけない」と賛同し、国民感覚に沿った法律を制定することが国会議員の責務だと述べました。
この事件は、司法制度における民意の反映のあり方、そして法律の解釈と国民感覚のバランスについて、改めて議論を呼ぶものとなっています。