大河ドラマ『光る君へ』で藤原実資を演じる秋山竜次さんのインタビューが、NHK公式サイトで公開されました。第43回「輝きののちに」放送後、実資と敦康親王を演じる片岡千之助さんと共に登場し、撮影の裏側を語っています。今回は、秋山さんが明かした実資の意外な一面や、道長との重要なシーンに対する思いに迫ります。
藤原実資:尊敬と煙たさの狭間で
藤原実資は、有職故実に精通し、公家社会の中枢を担う重鎮。その高いプライドと頑固さは、時に道長をも煙に巻く存在感を放ちます。秋山さんのコミカルな演技は、実資の人間味あふれる魅力を引き出しつつ、重鎮としての風格も見事に表現しています。
藤原実資役の秋山竜次
三条天皇との関係:利用と歩み寄り
秋山さんは、三条天皇との関わりの中で実資に変化が生じたと語ります。「三条天皇に関しては、実資を利用しようとする場面が多い」と指摘し、同時に実資も天皇に歩み寄り、関係を築こうとしているのではないかと分析しています。「ずる賢さが目立ってきた」という表現からは、実資の内面に秘めたしたたかさが垣間見えます。
道長との”論破”シーン:空回りと葛藤
物語中盤、道長と実資が意見を交わす重要なシーンが登場します。道長の理想とする政治や民の幸せについて問いただす実資。しかし、秋山さんはこのシーンを「半分自信があり、半分ないような、空回りしている感じ」だったと振り返ります。
道長との対峙を「論破されていた」「撃沈していた」と表現し、セリフを覚えるのも苦労したと明かしました。実資の言葉は核心を突いているように見えますが、秋山さん自身は「何を言っているのかわからなかった」と語り、現場での苦悩をにじませています。
道長と実資の対峙シーン
秋山竜次の演技:深みと新たな解釈
秋山さんのインタビューからは、実資の冷静沈着な姿の裏に隠された焦りや不安、そして道長への複雑な感情が浮かび上がります。この新たな視点を踏まえてドラマを見返すと、実資の言動に込められた真意が見えてくるかもしれません。
大河ドラマ『光る君へ』は、歴史の表舞台だけでなく、登場人物たちの内面にも深く切り込んだ重厚な人間ドラマです。今後の展開、そして秋山さんの熱演にますます期待が高まります。