ウクライナ東部、クルスク州。この地で、ロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防が繰り広げられています。ロシア軍は北朝鮮部隊の支援を受け、ウクライナ軍の陣地への猛攻を強めており、来年1月の米国新大統領就任前にクルスク州からウクライナ軍を駆逐しようと躍起になっているようです。戦況は緊迫し、泥沼化の様相を呈しています。
泥沼化するクルスクの戦い:双方の思惑
ウクライナ軍は3個旅団を投入し、約650平方kmに及ぶクルスク州突出部の左翼で防衛線を維持しています。しかし、ロシア・北朝鮮連合軍に比べて兵力は劣勢です。ロシア側は、8月以降ウクライナ軍が支配する地域を奪還するために、多大な犠牲を払う覚悟のようです。
ウクライナ東部で戦闘が続く様子
クルスク方面で戦うウクライナ軍のドローン操縦士、Kriegsforscher氏は「凄惨な戦いが続いている」と証言しています。彼は現場の状況を克明に報告し、世界に発信し続けています。
ロシア軍の猛攻とウクライナ軍の反撃
11日、ロシア軍の第51空挺連隊と第155独立親衛海軍歩兵旅団は、煙幕を展開しながらウクライナ軍の陣地へ正面攻撃を仕掛けました。BMP、BMD歩兵戦闘車、MT-LB装甲牽引車、BTR装甲兵員輸送車18両、T-72、T-80、T-90戦車5両を4つの縦隊に編成し、猛攻を仕掛けたのです。
ウクライナ軍はドローンや戦車で応戦。激しい戦闘の結果、ロシア軍は歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車15両、戦車3両を失いました。Kriegsforscher氏は「ロシア軍のバンザイ攻撃は我々にとって非常に助かる」と皮肉を込めて語っています。
戦闘は混迷を極めています。9日には、任務を終えて帰還中のウクライナ軍戦車2両と、突撃兵を満載したロシア軍のBMDがニアミスする場面もあったといいます。ウクライナ軍戦車は、BMDが突撃兵15人を降ろした直後に気づき、これを撃破しました。
甚大な損害と消耗戦の様相
ロシア軍の分隊が一度の攻撃で全滅するケースも珍しくありません。9日には、第51空挺連隊の兵士15人がウクライナ軍のドローン攻撃により全滅したという報告もあります。こうした損害の積み重ねにより、ロシア軍の1日の損耗人数は過去最多の水準に達しているようです。
軍事専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「クルスク州の戦いは、ウクライナ紛争の今後の行方を左右する重要な局面と言えるでしょう。ロシア軍は早期決着を図りたい一方で、ウクライナ軍は粘り強い抵抗を続けています。今後、戦況はさらに激化し、長期化する可能性も否定できません」と分析しています。
クルスク州の戦況は、今後のウクライナ紛争の行方を大きく左右する重要な局面を迎えています。