老後を安心して過ごすためには、年金制度の理解と早めの対策が不可欠です。特に、就職氷河期世代と呼ばれる1990年代～2000年代初頭に就職活動を行った世代は、厳しい雇用環境の影響で年金受給額に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、就職氷河期世代の年金問題について解説し、将来に向けての対策を提案します。
就職氷河期世代が直面する年金問題とは
厚生労働省のホームページ「いっしょに検証！公的年金」では、厚生年金に40年間加入し、平均月収43.9万円の場合、月額約15.5万円の年金が受給できるとされています。しかし、これはあくまでもモデルケース。就職氷河期世代は、非正規雇用やフリーターとして働いていた期間が長く、厚生年金への加入期間が短い、あるいは国民年金未納の期間がある方も少なくありません。その結果、将来受け取れる年金額が少なくなる可能性が高いのです。
alt text(※写真はイメージです／PIXTA)
厳しい雇用環境と年金制度への不信感
厚生労働省のレポート「平成21年版 厚生労働白書」にもあるように、就職氷河期世代は、バブル崩壊後の厳しい経済状況の中で就職活動を行い、希望する職種や雇用形態に就けないケースが多く見られました。正規雇用が得られず、収入が不安定な状態が続いたことで、年金制度に対する不信感を持つ人も少なくありませんでした。「どうせ将来もらえないなら、今払うのは無駄だ」という考え方が広まり、国民年金の未納につながったケースも少なくないのです。「フードジャーナリストの山田さん」も当時を振り返り、「若い世代の間で年金制度への不信感が蔓延していた」と指摘しています。
老後の不安を解消するための対策
将来の年金不安を解消するためには、どのような対策を講じるべきでしょうか。まず、国民年金保険料の納付状況を確認し、未納期間があれば追納を検討しましょう。国民年金基金やiDeCo（個人型確定拠出年金）への加入も有効な手段です。
国民年金基金への加入
自営業者やフリーランスの方であれば、国民年金基金に加入することで、将来受け取れる年金額を増やすことができます。
iDeCo（個人型確定拠出年金）の活用
会社員や公務員の方も加入できるiDeCoは、掛金を自分で運用し、その運用益が非課税となる制度です。老後資金の準備として活用できます。
専門家の意見
ファイナンシャルプランナーの佐藤さんは、「就職氷河期世代は、他の世代に比べて年金受給額が少ない可能性が高い」と指摘した上で、「早めの対策が重要」と強調しています。「まず、自分の年金受給額の試算を行い、不足分をどのように補うかを考える必要があります。iDeCoやNISAなどの制度を積極的に活用し、老後資金を計画的に準備しましょう」
まとめ
就職氷河期世代は、厳しい雇用環境の中で様々な困難に直面してきました。年金問題もその一つです。しかし、諦めることなく、今からでもできる対策を講じることで、老後の生活をより安心して送ることができるはずです。この記事が、就職氷河期世代の方々の年金問題解決の一助となれば幸いです。
