モスクワ周辺を標的とした、ウクライナによる過去最大規模のドローン攻撃。緊迫するウクライナ情勢の最新情報をお届けします。2024年11月10日、ウクライナ軍は少なくとも34機のドローンを用いてモスクワ周辺を攻撃しました。これはロシアのウクライナ侵攻開始以来、首都圏に対する最大規模のドローン攻撃となります。
モスクワ周辺の主要空港に影響、負傷者も
今回のドローン攻撃により、モスクワ周辺の主要3空港(ドモジェドボ、シェレメチェボ、ジュコフスキー)で計36便の着陸先変更を余儀なくされました。ロシア国防省は5名の負傷を認めつつも、「ウクライナによるテロ攻撃の試みは阻止された」と発表。さらに、ロシア西部で50機のドローンを破壊したと主張しています。
モスクワ近郊で撮影されたドローン攻撃の様子
ウクライナ側の主張とロシアの報復攻撃
ウクライナ側は、ロシアのブリヤンスク州にある武器貯蔵施設も攻撃したと発表。同地域では14機のドローンが撃墜されたと報じられています。一方、ロシア軍もウクライナ領内への過去最多となる145機のドローン攻撃を実施したと発表しています。
泥沼化する戦争と無人機の役割
ロシア軍の攻勢が強まる中、ウクライナはドローンを用いて石油施設、空港、レーダー施設などを攻撃し、戦況の打開を図っています。全長1000キロに及ぶ前線は、第一次世界大戦を彷彿とさせる塹壕戦の様相を呈していますが、無人機の活用という点で大きく異なります。無人機は兵士にとって大きな脅威となっており、互いに敵に与えた打撃を誇示する映像が拡散されています。
専門家の見解
軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「今回の大規模ドローン攻撃は、ウクライナ軍の反転攻勢における新たな局面と言えるでしょう。ドローンはコストパフォーマンスに優れ、敵地に大きな混乱をもたらす効果的な兵器となっています。今後、無人機を使った攻撃はさらに激化していく可能性があります」と指摘しています。
今後の展望
ウクライナ紛争は泥沼化の様相を深めており、ドローン攻撃の激化は更なる緊張の高まりを招く可能性があります。今後の情勢を注視していく必要があります。