トランプ次期大統領、上下両院掌握で権力強化へ 共和党が下院でも勝利

アメリカ中間選挙において、共和党が下院でも多数派を確保したことで、ドナルド・トランプ次期大統領はホワイトハウスと議会上下両院を掌握する強大な権力を手にしました。今後のアメリカ政治の行方に大きな影響を与えることが予想されます。

共和党、下院で僅差勝利

CBSニュースなどの報道によると、共和党は下院(定数435)で過半数を超える議席を獲得する見通しとなりました。最終的には220~222議席を獲得すると予想され、民主党は少なくとも208議席にとどまる見込みです。

アメリカ議会選挙の結果アメリカ議会選挙の結果

既に上院(定数100)では共和党が53議席を獲得し多数派を確保しており、大統領選でもトランプ氏が勝利しているため、三権全てを共和党が掌握する形となります。これは、2017年のトランプ1期目政権発足時以来のことです。

政策推進へ弾み、民主党は苦境に

この結果、トランプ次期大統領は経済政策や移民政策など、重要課題において自らの政策を立法化する大きな権限を得ることになります。

一方、民主党は政策に異議を唱える力が弱まります。上院は僅差での共和党勝利であるため、共和党は議題によっては十分な票を確保するのに苦労する可能性も残されています。

下院の議席差と政権人事の影響

下院における共和党と民主党の議席差は最終的にどの程度になるかはまだ不明瞭です。トランプ次期大統領は、複数の現下院議員を閣僚に指名しており、これらの議員が政権入りした場合、空席となる議席の補充選挙が行われるまで議席数は変動する可能性があります。

それでも、上下両院を掌握したことでトランプ氏の政策実現はよりスムーズになると見込まれます。

トランプ氏の公約と今後の展望

トランプ次期大統領は、就任後100日間で不法移民の強制送還、2021年1月6日の議会襲撃事件に関与した一部の人々の恩赦、バイデン政権の環境政策の撤回など、抜本的な改革を公約として掲げています。

上下両院の掌握により、閣僚や判事の指名承認も迅速に行われる可能性が高まり、トランプ氏が支持する法案がほぼ反対なく議会を通過する可能性も高まります。

次の中間選挙は2026年に予定されているため、トランプ次期大統領は少なくとも2年間は議会の強い監視を受けることなく政治を進めることができるでしょう。

下院議長はジョンソン氏再任か

下院共和党は、議長にトランプ氏の盟友であるマイク・ジョンソン氏を再任させる見通しです。共和党のトム・コール下院議員はCBSに対し、ジョンソン氏の再任は確実との見方を示しました。

2022年の中間選挙で下院の多数派を奪還した共和党ですが、僅差での勝利と党内対立により合意形成が困難な状況でした。今回も僅差での勝利となった場合、同様の事態が繰り返される可能性があり、ジョンソン議長は一部法案の成立において民主党議員の支持に頼る必要が生じるかもしれません。