韓国の大学修学能力試験:受験生への熱い応援と徹底したサポート体制

韓国では11月14日、日本の大学入学共通テストに相当する大学修学能力試験(修能)が行われました。受験戦争が過酷なことで知られる韓国では、毎年、政府や市民が一体となって受験生を応援し、万全のサポート体制を整えています。今回は、ソウル市内の高校を例に、試験当日の様子や受験生への温かいエール、そして社会全体で受験を支える仕組みについて詳しく見ていきましょう。

試験会場の様子:家族や友人の応援、そしてボランティアの活躍

早朝から、試験会場となる高校には受験生たちが続々と集まってきました。家族や友人たちは「ファイティン!(頑張って!)」と声をかけ、中には校門前で息子を抱きしめる母親の姿も。我が子を見送る母親の表情には、我が子の成功を願う切実な思いが見て取れました。「無事に試験を終えて、実力を出し切ってほしい。ただただ祈るような気持ちです」と、60代の母親は語りました。

ソウル市内の高校で、大学修学能力試験の受験会場に向かう息子を激励する母親ソウル市内の高校で、大学修学能力試験の受験会場に向かう息子を激励する母親

また、試験会場周辺では、バイクで遅刻しそうな受験生を送迎するボランティアの姿も見られました。長年このボランティア活動を続けているユン・ソッキョンさんは、「受験生全員が安心して試験に臨めるように、少しでも力になりたい」と熱い思いを語ってくれました。こうしたボランティアの献身的なサポートは、受験生にとって大きな支えとなっています。

社会全体で受験を支える:企業の始業時間変更、警察の交通整理、航空機の飛行制限

試験当日は、受験生がスムーズに試験会場に辿り着けるよう、社会全体で様々な取り組みが行われています。例えば、一部の企業は始業時間を遅らせ、交通渋滞の緩和に協力しています。警察も1万人体制で交通整理や警備にあたり、不測の事態に備えています。

さらに、英語のリスニング試験中は、緊急時を除き、航空機の離着陸が禁止されるなど、徹底した配慮がなされています。飛行中の航空機も上空3キロ以上で待機しなければならず、まさに受験生ファーストの体制が敷かれています。韓国の教育熱の高さと、受験生への手厚いサポート体制が伺えます。

受験生の努力が実を結びますように

韓国の大学修学能力試験は、受験生にとって人生の大きな節目となる一大イベントです。家族や友人、そして社会全体からの温かい応援を受けながら、受験生たちはこれまでの努力の成果を発揮しようと懸命に取り組んでいます。彼らの努力が実を結び、明るい未来へと繋がることを心から願います。