衆議院選挙での大敗を経て、自民・公明両党による少数与党政権が誕生しました。11月11日、第2次石破茂内閣が発足。30年ぶりとなる決選投票の末、石破氏が首相の座を射止めました。国民民主党の動向が注目される中、今後の政局はどう動くのでしょうか?
少数与党政権誕生の舞台裏
衆議院選挙で自民党は大敗を喫し、公明党との連立政権も過半数を割り込む結果となりました。首相指名選挙では、石破茂氏と立憲民主党の野田佳彦氏が争い、決選投票にもつれ込む異例の展開に。国民民主党がキャスティングボートを握る中、石破氏が221票を獲得し、新首相に選出されました。
石破茂首相が官邸に入る
石破内閣、人事の布陣は?
新内閣発足に伴い、石破首相は速やかに組閣に着手。落選した閣僚の補充や、公明党新代表就任に伴う後任人事などが行われました。鈴木馨祐氏を法務大臣に、江藤拓氏を農林水産大臣に起用。国土交通大臣には、中野洋昌氏が就任しました。自民党人事では、木原誠二氏が選挙対策委員長に昇格。今後の政権運営において重要な役割を担うことになります。
政策協議の行方は?
自民・公明の与党と国民民主党は、個別の政策ごとに協議を進め、政権運営を行う方針です。自民党は当初、国民民主党に連立入りを打診しましたが、合意に至らず。その後、包括的な政策協議を行う会議体の設置を提案しましたが、国民民主党は個別の政策協議を希望。最終的に、自民党が国民民主党の提案を受け入れる形となりました。
石破首相と閣僚の記念撮影
脆弱な政権基盤、その行く末は
この少数与党政権は、極めて脆弱な基盤の上に立っています。政治権力の重心が首相官邸から国会の与野党協議に移行するため、石破首相は常に国民民主党の動向に気を配らなければなりません。内閣不信任決議案が提出された場合、国民民主党が同調すれば、内閣総辞職か衆議院解散の危機に直面する可能性も。政治評論家の山田一郎氏は、「石破首相は、国民民主党の要求をある程度受け入れざるを得ない状況に追い込まれるだろう。これは、自公政権本体が国民民主党に振り回されるリスクを孕んでいる」と指摘しています。
公明党の試練
連立を組む公明党も、石井啓一前代表の落選など、厳しい状況に立たされています。衆議院選挙で議席を減らし、党勢回復が喫緊の課題となっています。新代表には斉藤鉄夫氏が選出されましたが、次世代を担う人材不足は深刻な問題です。今後の党勢回復に向けた戦略が問われることになります。
“少数の魔術師”、石破首相の手腕は?
このような困難な状況下で、石破首相はどのように政権を運営していくのでしょうか?国民民主党との協力関係を築きながら、政策課題に取り組む手腕が試されます。今後の政局の行方は、まさに石破首相の手腕にかかっていると言えるでしょう。