パワハラ疑惑などを文書で告発された斎藤元彦前知事（47）の失職に伴う兵庫県知事選は17日、県内各市町で投票が行われ、前職の斎藤氏が再選を確実にした。無所属で元同県尼崎市長の稲村和美氏（52）同日午後8時40分ごろ選挙事務所に到着し、支持者らを前に「期待にそえずおわび申し上げます」と述べた。
稲村氏は「ともに歩んでくださった人に感謝したい。これまでの選挙と比べて異例の選挙だった」と振り返った。
選挙期間中、交流サイト（SNS）での知事選へのさまざまな発言が相次いだ点については、「候補者の資質や政策を問う選挙ではなく、何を信じるかというのが大きなテーマになった。何と向かい合っているのかなと違和感を持ちながらの選挙となった」と振り返った。
稲村氏は県議会の立憲民主党系会派や自民党会派の一部議員に加え、自民の国会議員、立憲や国民民主党の県連幹部らが支援。尼崎市長を3期務めた経験を強調し、「県政の混乱に終止符を打つ」などと訴えて斎藤氏を批判した。県内22市の市長が選挙戦終盤に支持を打ち出すなど、組織戦を展開して支持固めを図ったが、斎藤氏の猛追を許し、競り負けた。
