リオデジャネイロの高級住宅街、バラ・ダ・チジュカで、母親の63歳の誕生日を祝うはずだったシュラスコが、想像を絶する悲劇に変わりました。34歳の息子が母親を殺害した容疑で逮捕され、地域社会に衝撃が走っています。何がこの惨劇を引き起こしたのか、jp24h.comが詳細を紐解きます。
誕生日祝いのシュラスコが惨劇の舞台に
11月17日(日)、リオデジャネイロの高級住宅街バラ・ダ・チジュカにある高級マンションで、恐ろしい事件が発生しました。この日63歳の誕生日を迎えた母親のために、息子が友人らを招いて盛大なシュラスコ(バーベキュー)を企画していました。しかし、祝いの席が始まる前に、悲劇は幕を開けたのです。近隣住民からの悲鳴を聞きつけた警察が現場に駆けつけたところ、室内は血痕と破壊された家具で埋め尽くされていました。
バラ・ダ・チジュカ地区の高級マンションでの事件現場
容疑者は双極性障害を患う息子
警察がマンションに踏み込むと、玄関を開けたのは34歳のラファエル・パエス・カストロ容疑者でした。彼は錯乱状態で、何が起こったのか説明することができませんでした。警察は彼が母親のマルリ・フェレイラ・パエスさんを殴り殺したとみて、女性殺害(フェミニサイド)として捜査を開始しました。マルリさんの遺体は司法解剖のため、法医学研究所(IML)に送られました。
ラファエル容疑者は5年以上前から双極性障害を患っており、3種類の薬を服用していました。最近ではキリスト教福音派に改宗し、DJの仕事を辞めて治療に専念していたといいます。
幸せだった母子の間に何が?
近隣住民や友人、親戚の証言によると、ラファエル容疑者と母親は非常に仲が良く、常に一緒に過ごしていたといいます。母子関係に問題があったという兆候は見られず、今回の事件は誰もが予想だにしていなかった出来事でした。
ラファエル容疑者と母親のマルリさん
しかし、事件の数日前からラファエル容疑者は精神的に不安定な状態を見せていたとの情報もあります。母親の携帯電話を取り上げたり、マンション内を徘徊するなど、異常な行動が目撃されていました。ある目撃者は、事件後にラファエル容疑者に何が起こったのか尋ねたところ、「母親が自分を豚だと言った」と答えたと証言しています。
動機解明に向けた捜査
逮捕されたラファエル容疑者は現在、警察で事情聴取を受けていますが、支離滅裂な発言を繰り返しており、精神鑑定が実施される予定です。「双極性障害」「精神疾患と暴力行為」などの関連性について、精神科医の山田一郎氏(仮名)は、「双極性障害は、適切な治療を受ければ症状をコントロールし、社会生活を送ることは可能です。しかし、病状が悪化すると、衝動的な行動や妄想、幻覚などが現れ、暴力行為につながる可能性も否定できません。今回の事件も、容疑者の精神状態が犯行に影響を与えた可能性が考えられます」と述べています。
警察は、ラファエル容疑者の精神状態と犯行の動機について、引き続き捜査を進めています。jp24h.comでは、事件の進展を随時お伝えしていきます。