バレエ界に衝撃が走りました。世界的に活躍するバレエダンサー、ウラジーミル・シクリャローフ氏が39歳という若さでこの世を去りました。シクリャローフ氏は、ロシア・サンクトペテルブルクの名門マリインスキー劇場バレエ団のプリンシパルダンサーとして活躍し、その類まれなる才能で世界中の観客を魅了してきました。
才能溢れるダンサー、突然の悲劇
11月16日、シクリャローフ氏はサンクトペテルブルクの自宅マンションのバルコニーから転落し、帰らぬ人となりました。あまりにも突然の訃報に、バレエ界だけでなく、世界中から悲しみの声が上がっています。
マリインスキー劇場は声明を発表し、「劇場のスタッフだけでなく、コンテンポラリーバレエ界全体にとって大きな損失です」と故人を悼みました。また、「彼の優雅さと情熱は、世界中の観客にインスピレーションを与えました。彼がこの世にもたらした美を通して、彼の光は輝き続けるでしょう。彼は世界のバレエ史にその名を永遠に刻みました」と、その功績を称えました。
ウラジーミル・シクリャローフ氏
ワガノワ・バレエ・アカデミーが生んだスターダンサー
シクリャローフ氏は、名門ワガノワ・バレエ・アカデミーで研鑽を積み、2003年に卒業。その後、マリインスキー劇場バレエ団に入団し、「ジゼル」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」「白鳥の湖」「ロミオとジュリエット」など、数々の古典バレエ作品で主要な役を演じました。
力強さと優雅さを兼ね備えたその踊り、そしてワガノワ仕込みの確かな技術と芸術性で、世界中から高い評価を得ていました。特に、ランベルセにおける彼の美しさは他の追随を許さないものがありました。
世界の舞台で輝きを放つ
シクリャローフ氏は、マリインスキー劇場だけでなく、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス、ニューヨークのメトロポリタン・オペラ、アメリカン・バレエ・シアターなど、世界の著名な舞台で活躍。2008年にはレオニード・マシーン賞を受賞するなど、輝かしい経歴を築き上げてきました。
日本でも度々公演を行い、多くのバレエファンを魅了しました。マリインスキー・バレエ団に所属する日本人バレリーナの永久メイ氏とも何度も共演しています。
惜しまれる才能、未来への希望
地元メディアによると、シクリャローフ氏は、同じバレエ団のダンサーである妻のマリア・シクリャローフ氏との間に2人の子供をもうけていました。転落前に鎮痛剤を服用していたとの情報もありますが、詳しい状況は現在も調査中です。
あまりにも早すぎる死は、バレエ界にとって大きな損失です。しかし、彼の残した数々の素晴らしいパフォーマンスは、これからも多くの人々に感動と inspiration を与え続けることでしょう。 シクリャローフ氏の功績を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします。