サバイバルオーディション番組の舞台裏:なぜ日本でブーム?その成功の秘訣とは

オーディション番組が、テレビや動画配信サービスで一大ブームを巻き起こしています。地上波のみならず、NetflixやABEMA、YouTubeなど様々なプラットフォームで、数多くの番組が配信され、人気を集めています。なぜ今、これほど多くのオーディション番組が制作されているのでしょうか?その背景と成功の秘訣を探ります。

熱狂を生むサバイバルオーディション:K-POPの影響とNiziUの成功

韓国発の「サバイバル番組」、通称「サバ番」の人気の高まりが、日本のオーディション番組ブームの火付け役となりました。2015年のTWICEを生み出した「SIXTEEN」、2018年のIZ*ONEを輩出した「PRODUCE 48」といった韓国の番組が成功を収め、日本でも注目を集めました。そして、2020年に日本テレビが全面支援し、JYPエンターテインメントとソニーミュージックが共同で手がけた「Nizi Project」から誕生したNiziUの大成功が、日本の音楽業界と放送業界に大きなインパクトを与えました。

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多くの企業が、NiziUのような成功を夢見て、サバイバルオーディション番組の企画に力を入れ始めました。TBSの「SEVEN COLORS -girls life memory-」、Netflixの「timelesz project -AUDITION-」、ABEMAの「PROJECT 7」、そして日韓中合作の「STARLIGHT BOYS」など、様々な番組が次々と誕生しています。

デビュー前から話題沸騰!サバ番の魅力と戦略

サバイバルオーディション番組は、必ずしも高い視聴率を記録するとは限りません。しかし、番組制作側にとって、“おいしい”ポイントがいくつもあると言われています。その一つが、デビュー前から話題性を高められることです。

番組内では、練習生たちの汗と涙、努力と挫折、そして成長していく姿が描かれます。視聴者は、練習生たちのひたむきな姿に共感し、応援したいという気持ちを持つようになります。こうして、特定の練習生にはデビュー前から多くのファンがつき、デビュー後の活動にも大きな期待が寄せられるのです。

音楽ライターの山田一郎氏(仮名)は、「サバイバルオーディション番組は、単にアイドルグループを結成するだけでなく、ファンコミュニティを形成する場でもある」と指摘します。「番組を通して、ファンは練習生たちを応援し、共に成長していく過程を共有することで、より強い絆が生まれるのです。」

複数グループデビューの可能性:新たなビジネスモデル

さらに、サバイバルオーディション番組は、最終選考に落ちた練習生にもチャンスを与えることができます。伸びしろが期待される練習生を別グループとしてデビューさせることで、複数のアイドルグループを世に送り出すことが可能になります。

「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」から誕生したME:Iだけでなく、惜しくもデビューを逃した練習生で結成されたIS:SUEも人気を集めていることが、その好例です。

まとめ:サバイバルオーディション番組の未来

サバイバルオーディション番組は、単なるエンターテインメント番組ではなく、新たなアイドルビジネスのモデルとして、進化を続けています。デビュー前から話題性を高め、ファンコミュニティを形成し、複数のグループを輩出するなど、その戦略は多岐に渡ります。今後も、様々なプラットフォームで、新たな才能が発掘され、新たなスターが誕生していくことでしょう。