吉沢亮(31)主演、横浜流星(28)が準主演を務める映画『国宝』が、6月6日の公開から約2か月が経過し、その勢いを増し続けている。7月25日には興行収入100億円を狙えるとの見通しも発表され、多くの観客を魅了している本作だが、主演の二人に加え、密かに話題を集めている俳優がいる。
映画『国宝』で共演する主演の吉沢亮と準主演の横浜流星。歌舞伎をテーマにした大作で熱演を見せる二人の俳優。
記録的ヒットを続ける『国宝』
吉田修一氏(56)による同名小説(朝日新聞出版)を原作とする映画『国宝』は、任侠の家に生まれながら、歌舞伎当主・花井半二郎(渡辺謙/65)に引き取られ、芸に人生を捧げた男・喜久雄(吉沢亮)の50年を描く壮大な一代記である。物語は、半二郎の跡取り息子である俊介(横浜流星)との“ダブル主人公”のような構成で、二人の運命的な出会いと葛藤が描かれる。
本作は7月27日までの公開52日間で、観客動員数538万人、興行収入75.9億円を突破。今年公開された実写映画としては現時点でトップを記録しており、その人気は衰えることなく続いている。都心の大手シネマコンプレックスで本作を鑑賞した映画ライターは、「7月26日の夜6時の回でしたが、満員御礼で、盛り上がりは続いています。まだ公開館も多いので、今からでも間に合います」と語る。李相日監督(51)も「吉沢亮がいなければ『国宝』の映画化は成立しなかった」と絶賛するなど、吉沢と横浜による名演技が本作の大きな見どころであることは間違いない。
密かに話題を集める三浦貴大の存在感
しかし、『国宝』には主役級の二人以外にも、光る存在感を放つ名優たちが多数出演している。その中でも、特に密かに話題を集めているのが三浦貴大さん(39)だ。三浦が演じるのは、歌舞伎の興行を手がける企業「三友」の社員・竹野。歌舞伎界の“血筋”を重んじる世襲制度に対し冷ややかな態度を取り、当初は喜久雄(吉沢)との関係も険悪だったが、物語が進むにつれてその関係性に変化が生じていく役どころだ。
前出の映画ライターは、「三浦さん演じる竹野の出番は決して多くありませんでしたが、彼の演技からは“過去”に何かがあったのだろうという含みが感じられ、さすがの一言です。観客にとっても第一印象は最悪のキャラクターですが、映画が進むにつれて友情とも同情とも異なる、不思議な繋がりを感じさせます。映画鑑賞後、彼を好きになった人は多いでしょう」と三浦の演技を高く評価する。
「杉村太蔵だと思った」驚きの声と“血筋”への言及
役作りのためか、三浦は以前に比べてかなりふっくらとした印象で、スーツ姿と七三分けの髪型も相まって、元衆議院議員でタレントの杉村太蔵さん(45)を連想したという観客も少なくないという。X(旧Twitter)では、実際に「杉村太蔵って良い芝居するんだなぁと思ったら三浦貴大さんだった」「国宝、1番好きなの興行会社の竹野さんで、杉村太蔵に似てるけど絶対違う人だよな、、嫌でもまさかの太蔵??え、そんなことある???になってたけど三浦貴大さんだった」といった、本気で杉村氏と勘違いしていた人の声が多数寄せられている。
さらに、本作の大きなテーマである「芸か血か」という問いに対し、竹野が冷ややかな目で見るという設定が、彼を演じる三浦の俳優としての背景と重なり、観客に深い共感を呼んでいる。三浦は俳優・三浦友和(73)と元歌手・女優の山口百恵さん(66)の息子であり、まさに血縁が注目される家庭に育った人物だ。そのため、X上では「『どうせ歌舞伎なんて世襲だろ』と血筋に疑問を抱き、喜久雄にふてぶてしい態度を取りながらも最後まで応援をし続ける姿に色々なものを重ねて観てしまった」「テーマは当然『芸か血筋か』として、三浦貴大が世襲制皮肉ってるところはヒィ〜〜てなった」「エンドロール見るまで杉村太蔵だと思ってたんだけど 三浦貴大(三浦友和さんと山口百恵さんの息子)さんなのね。そのことを踏まえると、竹野の初登場の場面の台詞が重い…」など、彼の演技に一層の重みを感じたという声が多く寄せられている。
映画『国宝』は、吉沢亮と横浜流星の熱演はもちろんのこと、三浦貴大が演じる竹野というキャラクターが、作品の根幹をなすテーマに深みを与え、観客の心に強く響いている。その演技と、彼の背景が織りなす重層的なメッセージは、本作をより一層魅力的なものにしていると言えるだろう。
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