中国の薛剣駐大阪総領事が、日本の衆議院選挙においてれいわ新選組への投票を呼びかけていたことが発覚し、外交問題へと発展しています。この異例の事態は、国際社会における選挙介入の新たな局面を示唆するものとして、大きな注目を集めています。
薛剣総領事、X(旧Twitter)で投票呼びかけ
事の発端は、薛総領事が10月25日に自身のXアカウントに投稿した、「全国どこからでも、比例代表の投票用紙には『れいわ』とお書きください」というメッセージです。さらに、れいわ新選組の山本太郎代表の街頭演説動画も引用していたことが明らかになり、波紋が広がっています。
中国総領事の薛剣氏
この行為は、外交官の行動を規定するウィーン条約に抵触する可能性が指摘されています。ウィーン条約は、外交官は接受国の内政に干渉してはならないと明確に定めており、薛総領事の行動は外交特権の濫用にあたる可能性があるとの見方が強まっています。
日本政府「極めて不適切」と抗議、投稿は削除
日本政府は、この投稿を「極めて不適切」と判断し、中国政府に外交ルートを通じて抗議。投稿の削除を申し入れました。その後、投稿は削除されたものの、日本国内では中国の意図をめぐる憶測や懸念が広がっています。
国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「今回の件は、中国が日本の政治プロセスに影響力を行使しようとした明らかな例だ」と指摘。「ウィーン条約違反はもとより、民主主義の根幹を揺るがす行為であり、断じて許されるものではない」と厳しく批判しています。
選挙介入問題の深刻化
近年、世界各国で選挙介入の問題が深刻化しており、今回の事件もその一環として捉えられています。米大統領選などでも外国勢力の介入が問題視されていますが、外交官によるあからさまな投票呼びかけは極めて異例です。
れいわ新選組の大石晃子氏
今後の日中関係への影響も懸念されており、日本政府は中国側の説明を求めるとともに、再発防止策を講じる構えです。今回の事件は、国際社会における外交規範の重要性を改めて問うものとなるでしょう。
今後の展開に注視
中国側の真意や今後の対応が注目される中、日本政府は毅然とした態度で臨む姿勢を示しています。この問題の今後の展開は、日中関係のみならず、国際社会全体の秩序にも大きな影響を与える可能性があり、引き続き注視していく必要があります。