角田美代子。2012年に発覚した兵庫県尼崎市の大量殺戮事件の首謀者。他人の家庭に介入し、次々と命を奪った彼女の恐るべき人心掌握術は、一体どのようにして生まれたのか。本稿では、義理のいとこである李正則の供述調書や関係者の証言をもとに、その闇に迫ります。
角田美代子の「参考書」
李正則は、神戸刑務所に移送される前に拘置所で読んだスティーヴン・ハッサン著『マインド・コントロールの恐怖』が、美代子の振る舞いと酷似していたと証言しています。ハッサンは米国の統一教会元幹部で、カルト問題の第一人者。正則は、美代子の手口との類似点をノートに書き写していたといいます。
マインドコントロールとの類似点
正則が指摘する類似点には、過去の生い立ちや趣味などを聞き出す、願望をもてあそぶ、約束を守らない、自尊心を壊す、目標達成のためには徹夜も厭わない、などがあります。
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これらの行為は、まさにマインドコントロールの手法そのもの。心理学に精通した専門家(氏名非公開)も、「依存関係を作り出し、正常な判断力を奪う巧妙な手法だ」と分析しています。
「やめい」「おまい」
さらに、正則は美代子が頻繁に使っていた「やめい」「おまい」という方言にも注目。自身も尼崎市出身である正則は、この地域ではあまり使わない言葉だったため、違和感を感じていたといいます。
この点について、言語学の権威である田中教授(仮名)は、「独特の言葉遣いは、相手を威圧し、支配下に置く効果がある」と指摘しています。
皇室と心理学への関心
ファミリーの関係者によると、美代子は皇室関係の書籍や心理学関係の書籍を好んで読んでいたといいます。読書に加え、テレビショッピングもよくしていたとのこと。
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一見すると普通の主婦のような生活を送っていた美代子。しかし、その裏では、巧妙な心理操作によって周囲の人々を支配していたのです。
角田美代子の深層心理
美代子の残忍な行為の根底には、どのような心理が隠されていたのか。専門家たちは、自己愛性パーソナリティ障害や反社会性パーソナリティ障害の可能性を指摘しています。
彼女の支配欲、承認欲求、そして他者への共感性の欠如が、悲劇的な事件へと繋がってしまったと言えるでしょう。
角田美代子事件は、私たちに人間の心の闇と、マインドコントロールの恐ろしさを改めて突きつけるものです。