北海道斜里町の羅臼岳(標高1661メートル)で登山者の男性がヒグマに襲われ、行方不明になっている。
男性は14日午前11時10分ごろに襲われた。同行していた友人男性から110番通報があった。
北海道警は15日早朝、地上からの捜索を開始。標高550メートル付近の登山道から数十メートル入ったやぶの中で、被害男性のものとみられる財布や血が付着したシャツ、帽子、腕時計などを発見した。付近の地面や木からは血痕のようなものも見つかっているという。
北海道警によると、襲われた男性は20代とみられる。友人は避難して無事だった。2人で下山途中、200メートルほど前を歩いていた男性から大声で名前を呼ばれ、駆けつけると、クマともみあっていた。男性は太ももあたりから出血しており、クマは男性を藪の中に引きずり込んでいったという。
羅臼岳に向かう3つの登山道は、事故後、すべて閉鎖された。現場近くの「オホーツク展望」には、入山していた登山者らが避難。14日までに道警と北海道の防災ヘリが71人を救助した。
被害を受けて北海道は14日夜、羅臼岳の登山道周辺にヒグマ注意報を出した。(長谷川潤)
朝日新聞社