尼崎事件、それは2012年に日本中を震撼させた連続変死事件。主犯格の角田美代子は、血縁関係のない「角田ファミリー」を操り、監禁、暴力、虐待を繰り返しました。本記事では、事件の真相に迫り、ファミリーの“暴力担当”、李正則の供述調書から、美代子の恐るべき人心掌握術と残虐な犯行の実態を紐解いていきます。
角田美代子の自宅マンション:恐怖に包まれた「館」
尼崎事件の現場となった角田美代子の自宅マンション。窓にはカーテンが閉め切られ、異様な雰囲気を漂わせる。
コンクリート詰めの遺体発見をきっかけに、事件は明るみに出ました。美代子の自宅マンションは、まるで恐怖の館。そこで一体何が起こっていたのでしょうか?
李正則、沈黙を破る:120枚の供述調書
事件の闇を解き明かす鍵は、美代子の“右腕”、李正則の供述調書にありました。当初は最小限の供述しかしなかった正則ですが、他の共犯者の自白や遺体発見により、ついに沈黙を破ったのです。
「マサ」と呼ばれた男:李正則の役割
美代子の義理のいとこである正則は、ファミリーの中で“暴力担当”として暗躍。その供述調書は120枚にも及び、事件の全貌を明らかにする重要な資料となりました。
殺戮の舞台となった角田美代子の自宅内部。派手な柄のソファや鏡張りの廊下など、異様な空間が広がっている。
無期懲役の判決:法廷での李正則
2015年11月、「週刊新潮」が入手した李正則の供述調書。そこには、想像を絶する残虐行為と、巧妙な人心掌握術が記されていました。正則は、法廷で100キロ近い巨体を縮こまらせ、疲労困憊の様子を見せていました。そして、2015年11月13日、神戸地裁で無期懲役の判決が下されました。(補足:2018年3月、最高裁で無期懲役が確定)
未解決の謎:行方不明者たち
事件の捜査は2014年3月に終結しましたが、未だに行方不明者は5人以上。美代子は留置場で自死し、事件の全貌は闇の中へと消えていくかに思われました。
真実への手がかり:残された供述調書
しかし、李正則をはじめとする共犯者たちの供述調書は、事件の真相を解き明かすための貴重な手がかりとなっています。角田美代子という稀代の犯罪者の歪んだ心理、そして事件の全貌を、私たちはこれからも追及していく必要があります。
尼崎事件は、私たちに人間の心の闇と、家族の絆の脆さを突きつける事件でした。事件の記憶を風化させず、二度とこのような悲劇が繰り返されないように、私たちは学び続けなければなりません。