落語家として活躍する柳家東三楼氏が、先日の衆院選に立憲民主党から神奈川2区で出馬したことはご存知でしょうか?国民的人気を誇る菅義偉元首相を相手に、政治の舞台で新たな高座に挑んだ東三楼氏。その挑戦の軌跡と今後の展望を追ってみました。
落語界の実力派、政治への熱い想い
芸の道と政治への志
文化庁芸術祭新人賞を受賞するなど、落語界の実力派として知られる東三楼氏。カーネギーホールでの独演会を成功させるなど国際的にも活躍の場を広げてきました。しかし、彼の胸中にはかねてから政治への熱い想いがあったといいます。日本の芸術・文化政策への不満を募らせていた東三楼氏は、立憲民主党の「りっけん政治塾」への参加をきっかけに、衆院選出馬を決意しました。
alt柳家東三楼氏、選挙ポスターの前で
アメリカの生活を断ち切って決意の帰国
決意を固めた東三楼氏は、ニューヨークの自宅を引き払い帰国。準備期間はわずか3週間という短期間ながらも、神奈川2区での出馬を決意しました。「横浜にぎわい座」など、かねてから横浜という街に愛着を持っていたことが理由の一つだといいます。師匠である柳家権太楼師匠も、驚きながらも東三楼氏の決断を後押ししたそうです。
選挙戦で見せた落語家魂
落語家らしさを封印?独自の戦略
選挙戦では、着物姿での街頭演説は公示日のみ。それ以外はスーツ姿で臨み、“一般的な候補者”というイメージを重視しました。これは、党からの「落語家であることをもっとアピールしてはどうか」というアドバイスとは異なる、東三楼氏独自の戦略でした。
altスーツ姿の柳家東三楼氏
独自の演説スタイルで聴衆を魅了
野田佳彦代表の応援演説に駆けつけた際には、コメ不足を題材にした落語風の口上で聴衆の笑いを誘う一幕も。選挙戦を通して磨かれた演説力は、多くの聴衆に強い印象を残しました。落語家としての経験と才能が、政治の舞台でも遺憾なく発揮されたといえるでしょう。
敗北から学ぶ、未来への展望
再挑戦への強い意志
結果は、菅義偉元首相に大差をつけられ敗北。比例復活も叶いませんでした。しかし、東三楼氏は落胆することなく、次回の選挙への再挑戦を表明しています。毎日駅頭に立つなど、さらに地域に密着した活動を行う意向を示しています。
落語と政治、二足のわらじで進む道
政治活動と並行して、落語家としての活動も継続していく東三楼氏。落語界と政界、二つの舞台で活躍する彼の今後の挑戦に、ますます注目が集まりそうです。伝統芸能と政治という一見異なる分野で、どのような未来を切り開いていくのか、期待が高まります。