韓国人から見た日本:過去最高の好感度、その背景にあるものは?

日本と韓国の国交正常化60周年を迎える2025年、韓国国民の日本に対する好感度が過去最高を記録しました。歴史的に両国関係は浮き沈みを繰り返してきましたが、長期的な視点で見ると、韓国における日本と日本人への印象は着実に改善しているようです。今回は、韓国ギャラップの調査データなどを元に、その背景を探ります。

日韓関係の変遷と好感度の変化

韓国ギャラップが2025年に実施した「対日認識調査」(全国18歳以上の成人1008人対象)によると、日本に「好感を持っている」と回答した人の割合は47%、「好感を持っていない」と回答した人の割合も47%となり、調査開始以来初めて両者が並びました。1991年の調査開始以降、常に反感度が好感度を上回っていたことを考えると、これは画期的な出来事です。

韓国人の日本に対する好感度の推移韓国人の日本に対する好感度の推移

韓国国民の対日好感度は、1991年の38%から始まり、2005年には20%まで落ち込みました。これは、日韓国交正常化40周年の年に島根県が「竹島の日」を制定したことが影響したと考えられます。

その後、李明博政権下では、過去史問題に強硬な姿勢を示しつつも、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結交渉を進めるなど、硬軟織り交ぜた外交を展開しました。しかし、朴槿恵政権、文在寅政権期には、慰安婦問題や徴用工判決などを巡り日韓関係が悪化し、好感度も低下しました。特に2019年には、半導体材料の輸出規制などを巡り深刻な対立が生じました。

2022年には対日好感度は21%まで落ち込みましたが、2023年に尹錫悦大統領が岸田文雄首相(当時)と12年ぶりにシャトル外交を再開し、首脳間の会談を重ねるなど関係改善への努力が続けられました。その結果、2023年の両国間の人的交流は1200万人を超え、国民感情にも変化が現れ始めました。

日本人への好感度も上昇傾向

日本人に対する好感度も上昇傾向にあります。2015年には40%だった好感度は、2022年には46%、2025年には56%まで上昇しました。同時に、反感度は47%から34%へと大きく減少しています。

専門家の見解

韓国の国際政治学者、キム・ヨンチョル氏(仮名)は、「近年のK-POPや韓国ドラマの人気の高まりが、韓国文化への関心を高め、ひいては韓国人への好印象につながっているのではないか」と分析しています。

今後の日韓関係

日韓両国は、経済、文化、人的交流など様々な分野で密接な関係を築いてきました。両国関係の改善は、北東アジアの安定と繁栄にとっても重要です。今後、両国が協力して共通の課題に取り組むことで、更なる関係発展が期待されます。

若年層の意識の変化

特に若い世代を中心に、歴史問題よりも経済協力や文化交流を重視する傾向が強まっていることも注目すべき点です。

韓国の食文化研究家、パク・ミンジ氏(仮名)は、「食文化交流も相互理解を深める上で重要な役割を果たしている。例えば、日本で韓国料理がブームになっていることは、韓国への関心を高める良い機会となっている。」と述べています。

両国国民の相互理解が深まり、未来志向の関係が構築されることを期待したいですね。