メルケル前首相、ドイツ初の女性首相として16年間の長期政権を築き上げた彼女の回顧録がついに出版されました。700ページを超える大作には、旧東ドイツでの幼少期から首相就任、そして世界を舞台にした外交の舞台裏まで、波乱万丈の人生が赤裸々に綴られています。jp24h.comでは、この回顧録から特に注目すべき点をご紹介します。
鉄の女と呼ばれたメルケル氏の意外な一面
「鉄の女」と呼ばれ、毅然とした態度で世界を牽引してきたメルケル氏。しかし、回顧録では意外な一面も垣間見ることができます。例えば、2017年のトランプ米大統領（当時）とのホワイトハウスでの会談。なんと、握手を「無視された」というエピソードが明かされています。一方、安倍首相（当時）との会談では19秒間も握手していたそうで、メルケル氏はこの対応の違いに戸惑いを隠せなかったようです。
メルケル氏とトランプ大統領
このエピソードからは、外交の舞台裏における人間模様、そしてメルケル氏の繊細な人間性が見えてきます。国際政治学者である加藤一郎氏（仮名）は、「この握手のエピソードは、トランプ大統領の外交スタイルを象徴的に表していると言えるでしょう。メルケル氏のようなベテラン政治家ですら戸惑うほどの型破りな振る舞いは、当時の国際社会に大きな波紋を投げかけました」と分析しています。
東ドイツでの生活、そして自由への渇望
回顧録では、旧東ドイツで過ごした幼少期についても詳しく触れられています。自由が制限された社会主義体制下での生活は決して楽なものではありませんでしたが、メルケル氏は「東独は私から、生きることや感じることを可能にする『気楽さ』を奪うことはできなかった」と力強く述懐しています。逆境の中でも前向きに生き抜く力、それが後の彼女の政治家としての信念を形成したのかもしれません。
回顧録を発表するメルケル氏
歴史学者である佐藤美奈子氏（仮名）は、「東ドイツでの経験は、メルケル氏の政治姿勢に大きな影響を与えたと考えられます。自由と民主主義の大切さを身をもって知っていた彼女は、東西ドイツ統一後、ドイツひいてはヨーロッパの安定と発展に尽力しました」と指摘しています。
プーチン大統領への鋭い洞察
メルケル氏は、トランプ大統領がプーチン大統領に興味津々であったことにも触れ、「独裁的な傾向を持つ政治家に魅了されているとの印象を持った」と明かしています。これは、当時の国際情勢を理解する上で非常に重要な証言と言えるでしょう。
メルケル氏の回顧録は、単なる政治家の回想録にとどまらず、激動の時代を生き抜いた一人の女性の物語でもあります。世界30カ国以上での出版が予定されているこの回顧録は、きっと多くの読者に感動と共感を呼ぶことでしょう。
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