アレッポ、かつてシリア第2の都市として栄えた商業都市。2016年にアサド政権によって制圧されて以来、静寂を保っていたかに見えたこの街で、再び戦火が上がっています。在英シリア人権監視団によると、反体制派勢力がアレッポ市内の複数の地区を掌握したとの情報が入りました。アサド政権側は「テロリストの攻撃を撃退している」と主張しており、双方の主張が真っ向から対立する緊迫した状況です。
アレッポ奪還を目指す反体制派の攻勢
イドリブ県を拠点とする反体制派は、アサド政権とロシアによる攻撃強化に反発し、27日に反攻を開始しました。アレッポへの進攻は、政権側にとって大きな痛手となる可能性があります。約200万人の人口を擁するアレッポは、商業の中心地としてシリア経済に重要な役割を果たしており、その奪還は反体制派にとって象徴的な勝利となるでしょう。
alt
アサド政権の抵抗と激化する戦闘
アサド政権は、反体制派の進軍を阻止するために空爆を含む激しい攻撃を続けています。政権側の声明では「テロリストの攻撃を撃退」と発表されていますが、現状は予断を許さない状況です。人権監視団によれば、27日以降の戦闘で民間人を含む270人以上が死亡しており、犠牲者の数はさらに増えることが懸念されます。
市民生活への影響と人道危機の深刻化
長引く内戦によって疲弊しているシリア国民にとって、今回の戦闘激化はさらなる苦難をもたらすことになります。アレッポ市民は、再び戦火に巻き込まれる恐怖に怯えながら生活を余儀なくされています。人道危機の深刻化も懸念され、国際社会の支援が不可欠となっています。
今後の展望:泥沼化する内戦と和平への道
今回の反体制派の攻勢は、シリア内戦の行方を大きく左右する可能性があります。アサド政権がアレッポの支配権を失えば、政権の弱体化につながり、内戦の終結に向けた交渉が進む可能性も考えられます。一方、政権側が反体制派の攻勢を食い止めることができれば、現状の膠着状態が続く可能性が高いでしょう。いずれにせよ、シリア内戦の終結には、国際社会の協力と和平に向けた対話が不可欠です。
alt
アレッポの攻防は、シリア内戦の新たな局面を迎えたことを示しています。今後の動向に注視していく必要があります。