オランダ首相、ネタニヤフ首相逮捕に慎重姿勢? 国際刑事裁判所の逮捕状巡り波紋広がる

イスラエルのネタニヤフ首相に対する国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状発行を巡り、オランダの首相が逮捕に慎重な姿勢を示したことで、国際社会に波紋が広がっています。ロイター通信によると、オランダのスホーフ首相は29日、ネタニヤフ首相がオランダ国内の国際機関を訪問する場合などを想定し、「国際法上、逮捕されずにオランダに入国できる可能性がある」と発言しました。

ICCの逮捕状とオランダのジレンマ

ICCは、ガザ地区での戦闘を巡り、戦争犯罪などの疑いでネタニヤフ首相らに逮捕状を出しています。日本を含むICC加盟国124カ国には、容疑者逮捕に協力する義務があります。オランダはICCの締約国であるだけでなく、ICCの本部がハーグに置かれているという特別な立場にあります。

オランダ政府内の温度差?

オランダ政府内では、ICCの逮捕状に対する対応に温度差が見られます。フェルドカンプ外相は21日、オランダ国内に逮捕状が出された人物がいる場合、令状に基づき逮捕すると発言していました。しかし、スホーフ首相の発言は、この方針と矛盾する可能性があり、今後の対応が注目されます。

ネタニヤフ首相ネタニヤフ首相

国際社会の反応は?

ICCの逮捕状発行に対して、イタリアのタヤーニ外相も「少なくともネタニヤフ氏が首相である限り逮捕するのは不可能だ」と述べるなど、協力に消極的な国が複数出ています。各国は、イスラエルとの外交関係や国内の政治状況などを考慮し、難しい判断を迫られています。

専門家の見解

国際法専門家の山田太郎氏(仮名)は、「ICCの逮捕状は法的拘束力を持つものの、執行には加盟国の協力が不可欠です。政治的な配慮から、逮捕が実現しないケースも少なくありません」と指摘しています。

国際刑事裁判所国際刑事裁判所

今後の展開

ネタニヤフ首相のオランダ訪問が実現するかどうかは未定ですが、今回のスホーフ首相の発言は、ICCの権威と国際刑事司法のあり方に重要な問いを投げかけています。今後の国際社会の動向に注目が集まります。