大韓航空とアシアナ航空の合併確定を機に、韓国の格安航空会社(LCC)業界が激動の時代へと突入しています。LCC子会社統合を皮切りに、業界再編の波が押し寄せています。今後のLCC業界の勢力図はどうなるのでしょうか?この記事では、巨大LCC誕生による競争激化と、生き残りをかけた各社の戦略を詳しく解説します。
巨大LCC誕生!業界の勢力図を塗り替えるか
大韓航空によるアシアナ航空買収完了に伴い、傘下のLCC3社(ジンエアー、エアプサン、エアソウル)の統合計画が進行中です。統合が実現すれば、保有航空機数58機、売上高2兆4785億ウォンという巨大LCCが誕生。現在の業界トップである済州航空を大きく上回る規模となり、業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。
alt 大韓航空とアシアナ航空の合併により、傘下のLCC3社が統合される。
大韓航空は当面子会社体制を維持した後、ジンエアーへの吸収合併を検討しているとのこと。競争当局の承認が必要となりますが、関係路線の競合は少ないため、審査は比較的スムーズに進むと予想されています。
生き残りへの道は?合従連衡の動きが加速
巨大LCCの誕生は、他のLCCにとって大きな脅威となります。生き残りをかけた合従連衡の動きが加速すると見られています。現在、韓国には大韓航空系列3社に加え、済州航空、ティーウェイ航空、イースター航空、エアプレミア、エアロケイ、フライ江原と、計9社のLCCが存在します。これは米国や日本と比べても多い数であり、過当競争の状態と言えるでしょう。航空業界専門家のキム・スヒョン氏(仮名)は、「LCC各社は規模拡大による競争力強化が急務であり、M&Aは有効な手段の一つとなるだろう」と指摘しています。
ティーウェイ航空とエアプレミア、大明ソノグループの戦略は?
現在、注目を集めているのが大明ソノグループです。同グループはティーウェイ航空とエアプレミアの2大株主となっており、今後の動向がLCC業界再編の鍵を握ると言えます。ティーウェイ航空の筆頭株主である芸林堂との持株比率の差はわずか3.3%で、エアプレミアに関しては経営権取得の可能性も視野に入れています。
大明ソノグループは、エアプレミアの経営権取得後、航空事業のノウハウを蓄積し、さらなるM&Aを展開すると予想されます。同グループが保有する海外のホテルやリゾートとのシナジー効果も期待されており、今後の戦略に注目が集まります。
済州航空の苦悩、M&Aの相手は見つかるか?
業界トップの済州航空も、巨大LCC誕生による競争激化に危機感を募らせています。M&Aは有効な対策ですが、現状では候補となるLCCは限られています。大明ソノグループが2大株主となっているエアプレミアは現実的な選択肢ではなく、残るはイースター航空のみ。今後の動向に注目が集まります。
まとめ
韓国LCC業界は、大韓航空とアシアナ航空の合併を機に大きな転換期を迎えています。巨大LCCの誕生は、業界全体の競争激化を招き、生き残りをかけた合従連衡の動きを加速させるでしょう。各社の戦略、そして業界の勢力図がどのように変化していくのか、今後の動向から目が離せません。