遺体の発見が遅れることになってしまった
川崎市川崎区の白井秀征容疑者(27)が交際していた岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体を自宅に放置した容疑で逮捕された事件で、犯行そのものと同じかそれ以上の注目を集めているのが、捜査当局の対応に関する問題である。岡崎さんから容疑者からのストーカー被害の相談があったものの神奈川県警が十分な対応を怠ったなどと遺族が訴えているからだ。県警側は現状、落ち度を認めていないが、警察庁キャリアはそのスタンスに疑問を呈している。
岡崎さんは元交際相手である白井容疑者からのストーカー被害を昨年6月から県警川崎臨港署に相談してきたとされる。しかし、岡崎さんの遺族は警察の対応が不十分だったと訴えており、一方の県警は、ストーカー行為の相談を受けていた認識はないとの主張を展開している。両者の言い分は真っ向から、とまでは言えないまでもかなり異なる。
岡崎さんは昨年12月から行方がわからなくなり、行方不明届も出されたため、警察は白井容疑者から任意で事情を聞いていた。
スマホデータを消去
「“白井容疑者がうろついている”などという連絡を9回、警察は岡崎さんから受けていることがわかっています。白井容疑者は事情聴取の際に、別れを持ち出されてストーカー行為をしたことを認めたようです。臨港署は容疑者の自宅にも任意での捜査を行っていますが、強制捜査ではないため床下の収納スペースを調べることができず、結果的に遺体の発見が遅れることになってしまったとは言えるでしょう」
と、社会部デスク。
「白井容疑者はスマホ内での岡崎さんとのやり取りのデータをほとんど消去していたことがわかりました。行方不明直後、12月の任意の事情聴取の段階で、白井容疑者はデータを消去したのは岡崎さんに連絡しないようにするためにと説明していたようです。しかしその段階では警察はスマホを調べていません。スマホが調べられたのは翌1月のことですが、その時点ではほとんどが消去されていたことがわかりました」(同)