シリア内戦:反体制派がハマを制圧、ホムスへ進軍 – アサド政権の劣勢鮮明に

シリア内戦の激化を受け、反体制派が中部要衝都市ハマを事実上制圧し、アサド政権軍は撤退を余儀なくされました。この情勢は、長引く内戦の新たな局面を予感させ、国際社会の関心を再び集めています。jp24h.comでは、最新の情報を分かりやすくお届けします。

ハマ陥落、反体制派がホムスへ進軍

2024年12月5日、反体制派は中部ハマからアサド政権軍を撤退させ、都市を事実上制圧しました。在英のNGO「シリア人権監視団」(SOHR)によると、反体制派はさらに南下し、シリア第3の都市ホムス近郊まで進軍しているとのことです。 ハマは首都ダマスカスと北部を結ぶ幹線道路が通る戦略的要衝であり、その陥落はアサド政権にとって大きな痛手となります。

反体制派の戦闘員反体制派の戦闘員

ハマの収容所から「数百人の囚人を解放」

過激派組織「シャーム解放委員会」(HTS、旧ヌスラ戦線)を含む反体制派は、ハマの収容所に突入し、「政権に抑圧された数百人の囚人を解放した」と発表。さらに「ハマは完全に解放された。ホムスが我々の到着を待っている」と声明を発表し、今後の進軍を示唆しました。ハマは1982年にアサド大統領の父である故ハフェズ・アサド大統領(当時)による反体制派虐殺の舞台となった都市であり、今回の制圧は象徴的な意味合いも持ちます。

アサド政権、劣勢を認め「戦術的措置」と説明

アサド政権のアッバス国防相はハマからの撤退について、「市民を守るための再配置であり、部隊は依然としてハマ周辺に展開している」と説明。「撤退は一時的な戦術的措置だ」と強調し、劣勢を認めつつも抵抗の意思を示しました。 しかし、反体制派による主要都市の制圧は二度目となり、政権側の苦境は明らかです。ロシアの支援を受けているものの、戦況の打開は容易ではないと見られています。

専門家の見解:中東情勢の不安定化

中東情勢に詳しい東京大学の山田教授(仮名)は、「ハマの陥落はアサド政権にとって大きな打撃であり、内戦の終結はさらに遠のいたと言えるでしょう。周辺国の動向も注視する必要がある」と指摘しています。 シリア内戦は複雑な国際関係が絡み合い、予断を許さない状況が続いています。

今後のシリア情勢

反体制派の勢力拡大は、シリア内戦の更なる激化を招く可能性があります。国際社会は人道危機の深刻化を懸念しており、和平への道筋は依然として不透明です。jp24h.comは、今後もシリア情勢の最新情報をお伝えしていきます。