兵庫県知事の斎藤元彦氏をめぐる公職選挙法違反疑惑。PR会社社長・折田楓氏のネット投稿をきっかけに波紋が広がる中、11月27日に行われた斎藤知事の定例会見、そしてその後の代理人弁護士による釈明会見は、かえって疑惑を深める結果となった。識者からは「墓穴を掘った」との厳しい声が上がっている。一体何が問題だったのか、詳しく見ていこう。
疑惑の発端:PR会社社長の投稿と斎藤知事の反応
事の発端は、折田楓氏が自身のSNSに投稿した内容だ。折田氏は、斎藤知事の選挙活動に深く関わっていたことを示唆するような投稿を行い、これが公職選挙法違反の疑いを招いた。斎藤知事は11月27日の定例会見で疑惑を否定したが、具体的な説明は避ける姿勢に終始。詳細については代理人弁護士に一任するとして、さらなる疑問を生む結果となった。
兵庫県知事 斎藤元彦氏
釈明会見で逆効果?弁護士の説明に専門家から批判殺到
斎藤知事の定例会見後、代理人弁護士である奥見司氏による釈明会見が行われた。しかし、この会見がさらなる批判を招くことになった。奥見弁護士は記者からの質問に対し、「知事本人に確認していないので分からない」と繰り返すなど、明確な回答を避ける場面が目立った。
釈明会見の様子
この釈明会見の内容を受け、神戸学院大学教授の上脇博之氏や元検事で弁護士の郷原信郎氏は、斎藤知事を刑事告発するに至った。上脇氏は、「釈明会見が開かれなければ刑事告発は難しかったかもしれない」と語り、会見が逆効果だったことを示唆。奥見弁護士の説明は、かえって疑惑を深める結果になったと批判している。
金銭授受の事実と「ボランティア」主張の矛盾
奥見弁護士は会見で、折田氏のPR会社に選挙ポスターや公約スライドのデザイン制作費用として71万5000円を支払ったことを認めた。また、折田氏自身は選挙運動にボランティアとして参加していたと主張した。
請求書
しかし、上脇氏は金銭の授受があった時点で刑事告発が可能になったと指摘。さらに、折田氏の投稿内容を見る限り、彼女がボランティアとして活動していたとは考えにくいと反論している。折田氏自身の投稿が、彼女が「仕事」として選挙活動に関わっていたことを示唆しているというのだ。専門家からは、釈明の内容が矛盾だらけで、かえって疑惑を深める結果になったとの声が上がっている。今後の捜査の行方に注目が集まる。