東日本大震災で6歳で亡くなった娘の成人式。想像するしかなかった20歳の姿を、一枚の絵が叶えてくれました。宮城県石巻市に住む佐藤美香さん(49)は、1月12日、娘の愛梨ちゃんが成人式を迎えるはずだった日に、特別な贈り物を受け取りました。それは、画家が麻布に描いた愛梨ちゃんの振袖姿の絵。まるで成長した娘と再会できたような、感動的な瞬間でした。
震災から14年、時を超えた成人式
震災からまもなく14年。美香さんは、愛梨ちゃんが通うはずだった小学校で開かれた成人式会場を訪れました。同級生たちが華やかな振袖姿で未来への希望を語る中、美香さんは、もし愛梨ちゃんが生きていたら…という思いを胸に、式典を見守っていました。
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麻布に描かれた娘の振袖姿：愛知県在住の画家の思い
愛梨ちゃんの振袖姿の絵は、高さ約1.6メートルの麻布に描かれた大作です。愛知県田原市在住の画家、小林憲明さん(50)が、美香さんとの出会いを通して、この絵を制作しました。小林さんは、遺影写真などを参考に、愛梨ちゃんの面影を丁寧に描き出し、紺とグレーを基調とした華やかな振袖姿に仕上げました。帯は、妹の珠莉さん(17)が姉を思い、水色を選びました。
想像を超えた喜び：成長した娘との再会
「こんな風に成長していたのかな」。美香さんは、絵の中の愛梨ちゃんの姿に目を細め、まるで生きているかのように優しく触れました。幼稚園の頃の無邪気な笑顔しか知らなかった美香さんにとって、この絵は、想像をはるかに超える感動的な贈り物となりました。 まるで時を超えて、成長した娘と再会できたような、特別な瞬間でした。
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娘への思い、未来への希望
「たくさんの式を重ねさせてあげたかった」と語る美香さん。娘の成人式は、悲しい出来事によって失われましたが、小林さんの絵は、愛梨ちゃんの存在を改めて強く感じさせ、未来への希望を与えてくれました。この絵は、震災で大切な人を失った人々にとって、大きな慰めと勇気を与えるものとなるでしょう。 愛梨ちゃんの思い出は、これからも家族の中で生き続け、未来へと繋がってゆくことでしょう。
