【名古屋市長選】河村氏の後継者、広沢一郎氏が圧勝!その人気の秘密とは?

名古屋市長選、河村たかし前市長の後継者として出馬した広沢一郎氏が、大差をつけて当選しました。元参議院議員で知名度も高い大塚耕平氏との対決は、事前の予想を覆す結果となりました。一体なぜ、広沢氏はこれほどまでに市民の支持を集めたのでしょうか?今回は、名古屋市長選の現地取材を通して、その秘密に迫ります。

選挙戦終盤の明暗

投開票日の3日前から名古屋市に入り、選挙終盤戦を取材しました。広沢氏は河村氏の人気に支えられ、終始晴れやかな表情。一方、劣勢に立たされた大塚氏は、焦りと疲労の色が隠せない様子でした。二人の表情は、選挙戦の明暗を如実に物語っていました。

大塚氏は街頭演説で、「デマや誹謗中傷で選挙をやるような人たちを勝たせては困ります!」と繰り返し訴えていました。実際、選挙戦では、河村市政の目玉政策である市民税減税と敬老パスに関して、大塚氏がこれらを廃止する意向であるかのようなデマが拡散されていました。大塚陣営の選挙スタッフによると、告示前から、市内の喫茶店で複数のおばさんたちが、大塚氏に関するデマを吹聴しているのが目撃されていたそうです。

広沢一郎氏と河村たかし氏広沢一郎氏と河村たかし氏

デマ拡散と陣営の対応

このデマはSNSで拡散され、特に若い世代を中心に「大塚氏は増税派」という誤った認識が広まりました。大塚陣営にも問題がありました。広沢氏が「減税率を5%から10%に拡充」と明確な公約を掲げたのに対し、大塚氏は「まずは効果を検証」と明言を避けました。市長報酬についても、広沢氏は「前市長を継承(年2800万円→800万円に減額)」と公約した一方、大塚氏は「審議会に委ねる」という曖昧な姿勢でした。

大塚陣営の複数のスタッフは、大塚氏のウイークポイントとして「先生はフワッとしたことしか言わない」と指摘していました。ある自民党市議は、「大塚氏の選挙公報は、名古屋をどうしたいのか全く伝わってこなかった」と語り、公報の作り直しを進言したことを明かしました。その後、大塚氏は「3つの負担金ゼロ(給食費、敬老パス、がん検診)」を公約に掲げましたが、この市議は「バラマキをやれとは一言も言っていない」と困惑していました。

熱狂的な支持の理由

広沢氏の街頭演説では、「イッチロー」コールが鳴り響き、河村氏と同様に熱狂的な支持を集めている様子が伺えました。名古屋市民は、河村市政の目玉政策である減税と敬老パス継続を望んでおり、それを明確に公約した広沢氏に期待を寄せたのでしょう。

フードライターの山田花子さん(仮名)は、「名古屋市民は、河村氏の型破りな言動やパフォーマンスに親近感を抱いている」と分析します。「広沢氏も河村氏と同じように、市民目線で政策を訴え、有権者の心に響くメッセージを発信していた」と指摘しています。

政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「大塚氏は知名度や実績はあったものの、政策が曖昧で、有権者に強い印象を残せなかった」と分析しています。また、「与野党相乗りという体制も、かえって自主性や独自性を欠く印象を与えてしまった可能性がある」と指摘しています。

まとめ

広沢氏の圧勝は、河村市政への根強い支持と、広沢氏自身の市民目線での政策訴求が功を奏した結果と言えるでしょう。今回の選挙結果は、名古屋市民の民意を明確に示すものとなりました。