【アスンシオン時事】「ボールは日本側にある」。
南米パラグアイのペニャ大統領は12日、時事通信とのインタビューで、口蹄(こうてい)疫発生のため同国産牛肉の受け入れを認めていない日本に対し、輸入解禁を決断するよう促した。
ペニャ氏は昨年5月、パラグアイを訪問した岸田文雄首相(当時)に輸入解禁を要請。食肉衛生に関する日本側の疑問に全て答えるため、「分厚い文書」を渡してあると語った。
南米で唯一、台湾と外交関係を結ぶパラグアイに対し、中国は「切り崩しを図る工作の一つとして、国交を開けば、肉を購入すると持ち掛けている」(関係者)とされる。ペニャ氏は「あらゆることを約束する中国になびくよりも、日本市場の解禁に向けて懸命に取り組みたい」と決意を表明した。
パラグアイは牛肉の主要輸出国だが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻をパラグアイ政府が批判すると、第2位の「大口顧客」だったロシアへの輸出が急減。その後、台湾が輸入を増やし、米国も輸入を再開したことなどから、昨年の輸出は約35万トンと過去最高を記録した。