海上自衛隊の掃海艇「うくしま」が福岡県宗像市沖で沈没した事件は、火災原因だけでなく、沈没時の対応にも疑問が生じている。本記事では、総員離艦部署の発令有無、そして機密文書の流出リスクについて深く掘り下げる。
総員離艦部署は発令されたのか?
海上自衛官OBからの情報によると、「うくしま」沈没時に総員離艦部署が発令されたかどうか不明瞭であり、機密文書の持ち出しが行われていなかった可能性が浮上している。総員離艦部署とは、艦艇が大きな損害を受けた際に乗組員が脱出するための命令であり、日頃から訓練が行われている。この部署では、機密文書の持ち出しも重要な任務の一つだ。
機密文書持ち出しの重要性
機密文書には作戦計画や暗号書などが含まれており、敵の手に渡ることを防ぐため、総員離艦時には持ち出し袋に入れて持ち出すことになっている。過去の海軍乙事件では、機密文書の流出が作戦に大きな影響を与えたという痛ましい教訓がある。平時の事故とはいえ、決められた手順が守られていなかったとすれば、重大な問題と言えるだろう。
alt海上自衛隊掃海艇「うくしま」の火災現場。福岡県宗像市大島沖で発生したこの火災は、重大な疑問を投げかけている。(写真提供:時事通信社)
漂着物の取扱いに関する福岡県の注意喚起
福岡県防災ホームページに掲載された「宗像市大島沖における海上自衛隊掃海艇『うくしま』転覆に係る漂着物の取扱いについて」という注意喚起は、搭載品や書類等の漂着可能性を示唆している。福岡県は海上自衛隊からの依頼で掲載したものの、具体的な漂着物については知らされていないという。
危険物と機密文書の漂流リスク
「触れることなく」連絡するよう呼びかけていることから、海上自衛隊は危険物や機密文書の漂着を想定している可能性が高い。これは、総員離艦部署における機密文書持ち出し手順が適切に実施されなかった可能性を裏付けるものと言えるだろう。
海上自衛官OBからのさらなる証言
別の海上自衛官OBからも驚くべき情報が寄せられている。
alt沈没した掃海艇「うくしま」。機密文書の管理体制に疑問が残る。(出典:Yahoo!ニュース)
「うくしま」沈没事件は、火災原因の究明だけでなく、沈没時の対応、特に機密文書の管理体制についても徹底的な調査が必要だ。国民の安全と防衛に関わる重大な問題であり、再発防止に向けた対策が急務である。