国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年12月6日、定例記者会見で「103万円の壁」問題に関する与党の試算根拠を痛烈に批判しました。政府が示した「減収見込み額」の試算はあまりにも粗雑であり、国民を馬鹿にしていると怒りをあらわにしました。
与党の「粗い試算」に怒り心頭
「103万円の壁」の引き上げに伴う税収減について、政府は7~8兆円と試算。しかし、その根拠を示した資料には「粗い試算であり相当の幅をもって見る必要がある」という但し書きが赤字で記されていたといいます。榛葉氏はこれを問題視し、「こんなあいまいな試算で8兆円の減税などと騒いでいたのか」と批判。「納税者や有権者を馬鹿にしている」と強い口調で非難しました。
榛葉賀津也幹事長(2024年11月11日撮影)
「壁」引き上げは経済活性化のため
榛葉氏は「103万円の壁」引き上げの目的は、税収減ではなく、国民の可処分所得を増やし、消費を促進して経済を活性化させることだと主張。与党が示した2026年という実施時期についても「話にならない」「すぐやるのが当然だ」と即時実施を求めました。
補正予算案への影響も示唆
榛葉氏は、与党の姿勢に不満を示し、補正予算案への賛成も考え直すと発言。「衆院選の結果は、1日も早く『103万円の壁』を突破してほしいという民意の表れだ」と強調し、与党をけん制しました。
粗雑な試算への反論と早期実施の要求
榛葉氏は、全国知事会もこの粗雑な試算を根拠に反対していることに触れ、与党の対応を改めて批判しました。そして、「国民の気持ちを弄ぶな」と釘を刺し、きちんとしたデータに基づいた交渉を求めました。
玉木雄一郎代表
政治の責任と国民の声
「103万円の壁」問題は、働く女性やパートタイム労働者を中心に、多くの人々の生活に影響を与える重要な課題です。榛葉氏の会見は、政府の対応の遅さと不誠実さを浮き彫りにしました。国民の声に真摯に耳を傾け、迅速かつ具体的な対策を講じることが政治の責任です。国民の生活向上のため、早急な解決が求められています。