日本の医療の最前線を支える、フリーランス医師、渡辺由紀子さん。年間200回以上ものフライトを重ね、北海道から種子島まで、全国各地の僻地で医療活動に従事する彼女の情熱と挑戦に迫ります。
時間と距離を飛び越える医師、渡辺由紀子さん
羽田空港の喧騒の中、白いキャリーケースを引く女性、渡辺由紀子さん。年間200回以上も飛行機に乗り、まさに「空飛ぶママさんドクター」として活躍する彼女にとって、空港はもはや日常の風景です。
「このキャリーケース、実は新調したばかりなんです。年間200回以上も飛行機に乗っていると、1年で壊れてしまうんですよ（笑）」と語る渡辺さん。ガムテープで補修しながら使い続けたこともあるというエピソードからも、彼女の多忙な日々が伺えます。
渡辺由紀子さんがキャリーケースを引く様子
身一つで全国を飛び回る渡辺さんですが、着替えや書類、枕などでキャリーケースはいつも満杯。多忙な勤務の合間に仮眠を取ることもあるそうです。
分刻みのスケジュール：渡辺さんの一週間
渡辺さんの一週間のスケジュールは、まさに驚愕の一言。北海道での20時間連続勤務を終え、埼玉、東京、再び北海道へと移動。週末には33時間連続勤務後、広島へ移動し、また埼玉へと戻るという超ハードスケジュールをこなしています。
「最近は移動の合間や昼休みにも産業医のオンライン面談をしたり、種子島や青森、熊本にも行ったりと、本当に限界に近いですね」と語る渡辺さん。
自衛隊時代に診察する渡辺由紀子さん
この過酷なスケジュールをこなせるのは、防衛医科大学校出身で、自衛隊員としての訓練で培った体力と精神力があってこそ。大学院時代には、医学研究科初の妊娠・出産・育児を経験し、後輩女性医師のロールモデルにもなりました。
僻地医療への熱い想い：空飛ぶドクターの誕生
自衛隊を除隊後、医師紹介会社からの「北海道の富良野に行けますか？」という一言が、渡辺さんの“空飛ぶドクター”としての第一歩となりました。
以来、医師不足に悩む僻地へ赴き、患者さんと向き合い続けています。日本の医療を支える渡辺さんの挑戦は、これからも続きます。
フリーランス医師、渡辺さんの今後の展望
渡辺さんは、僻地医療の現状を多くの人に知ってもらい、より良い医療体制の構築に貢献したいと考えています。今後の活動にも注目が集まります。
