小倉智昭さん、享年77歳。12月9日に惜しまれつつこの世を去りました。長年「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ系)の顔として活躍し、歯に衣着せぬコメントと軽快なトークで人気を博したキャスターの訃報に、日本中が悲しみに包まれています。
22年間連れ添ったデーブ・スペクター氏も追悼
22年間「とくダネ!」で共に番組を築き上げてきたデーブ・スペクター氏は、小倉さんの訃報を受け、X(旧Twitter)で追悼の意を表しました。「忖度しない素晴らしい司会者。なんでも知ってて毒舌だけど優しさを知っている人」と故人を偲び、時には厳しく叱咤されたこともあったが、今はそれを誇りに思っていると綴っています。 あの名物のオープニングトークを、天国のタイムキーパーのいない場所で思う存分語ってほしい、と締めくくられたメッセージには、多くの共感が寄せられています。
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がんとの闘病、そして多くの人に響いたメッセージ
小倉さんは2016年に膀胱がんを公表、その後も肺転移、腎盂がんと闘病生活を送っていました。病魔と闘いながらも、ラジオや情報番組への出演、執筆活動など精力的に活動を続けてきた姿は、多くの人々に勇気を与えてきました。
特に、今年3月に日本経済新聞の医療面コラム「向き合う」に掲載された「老後にやろう」はダメ 闘病の末の本音」というエッセイは、大きな反響を呼びました。自宅には映画や音楽のDVD、CD、そしてそれらを再生するためのオーディオ機器が揃った部屋が2つもあるにも関わらず、加齢による聴力の衰えで、大型スピーカーの価値も薄れてしまったという小倉さん。
後回しにした後悔、そして未来へのメッセージ
「体が動くうちに海外旅行をすればよかった。ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。老後にやろうと思っていても、老後になるとできないことがあまりにも多すぎる」
この言葉は、当時多くの人の心に深く突き刺さり、話題となりました。テレビ東京のプロデューサー佐久間宣行氏も自身のラジオ番組でこのコラムに触れ、共感を示していました。人生における「やりたいこと」を後回しにすることの危険性、そして「今」を大切に生きることの重要性を、小倉さんは自身の経験を通して私たちに伝えてくれたのです。
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小倉智昭さんの遺した言葉、未来へ
小倉さんは「とくダネ!」で、同一司会者による全国ネットのニュース情報番組の最多放送回数を記録するなど、まさにフジテレビの朝の顔でした。菊川怜さんとの軽妙な掛け合いも人気を博し、数々の名場面を私たちに届けてくれました。小倉さんの訃報は、大きな損失ですが、彼が遺したメッセージは、これからも多くの人々の心に生き続けるでしょう。