韓国で尹錫悦大統領の退陣を求めるデモが活発化する中、全南大学のパク・グヨン哲学科教授が男性のデモ参加を促す際に女性を軽視するような発言をしたとして、激しい非難を浴びています。この出来事は、韓国社会におけるジェンダー意識の問題を改めて浮き彫りにしました。
デモ参加呼びかけで問題発言
12月7日に行われたデモに参加したパク教授は、8日のポッドキャスト番組のライブ配信で、参加者の多くが20~30代の女性だったことに触れ、「女性がたくさん来ているからデモに参加してほしい」と20~30代の男性へ呼びかけました。
デモの様子
この発言に対し、番組の進行役は「哲学科教授として不適切な発言ではないか」と指摘。しかし、パク教授は「女性が多いというのは非常に哲学的なことではないか」と笑い飛ばし、事態を深刻に受け止めていない様子でした。
批判殺到、教授は謝罪へ
パク教授の発言は、SNS上で瞬く間に拡散され、多くの批判が寄せられました。「デモに参加する女性は、民主主義を守る市民として行動している。男性を誘うための『エサ』ではない」「女性を軽視する発言は、女性参加者の尊厳を傷つけるだけでなく、男性参加者も女性目当てでデモに参加していると誤解させる」といった声が上がり、炎上状態となりました。
韓国の著名な社会学者、キム・ミョンジン氏(仮名)は、「この発言は、女性を政治参加の主体ではなく、男性を誘うための手段と見ている証拠であり、時代錯誤も甚だしい」と指摘しています。
番組側は問題となった部分を編集で削除し、パク教授もSNSを通じて謝罪しました。しかし、今回の騒動は、韓国社会に根深く残る女性蔑視の風潮を改めて浮き彫りにしたと言えるでしょう。
女性の社会的地位向上への課題
韓国では近年、女性の社会進出が進み、政治や経済の分野で活躍する女性も増えています。しかし、依然として伝統的な性別役割分担意識が強く、女性に対する差別や偏見も残っているのが現状です。
今回のパク教授の発言は、そうした社会の歪みを象徴する出来事と言えるでしょう。真の男女平等を実現するためには、教育や啓発活動を通じて、社会全体の意識改革を進めていく必要があるのではないでしょうか。
韓国の街並み
韓国社会が、この問題を真摯に受け止め、より成熟したジェンダー平等社会へと前進することを期待したいところです。