韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)のインタビューで尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾を強く主張し、波紋を広げている。本稿では、李代表の発言内容とその背景、今後の韓国政局への影響について詳しく解説する。
戒厳令への懸念と「第2の内乱」批判
李代表はWSJのインタビューで、尹大統領の弾劾は「正常な民主主義を回復するためには不可欠」だと断言。さらに、尹大統領とその支持者が権力を維持すれば「戒厳令を宣言する危険性がある」と強い懸念を示した。
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与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表と韓悳洙(ハン・ドクス)首相による国政運営については、「第2の内乱」と痛烈に批判。「大統領は国民が選出するものであり、国民の力が選出するのではない」と、与党の強硬姿勢を非難した。
弾劾実現への強い意志
李代表は、弾劾に必要な議員の賛同を得る自信をのぞかせ、「水が限界を越えればすぐにあふれる」と表現。弾劾への流れは不可避であり、与党議員も最終的には弾劾に賛同せざるを得なくなるという見方を示した。
李代表、自身を「現実主義者」と主張
自身の政治的性向について、李代表は「極端党派主義者ではなく現実主義者」だと主張。公職選挙法違反容疑で裁判を受けている現状や、城南市長時代の青年基本所得などの進歩的な政策について、「一部の人たちは私を『韓国のトランプ』のようだと言う」と述べた。
韓国の政治評論家、キム・ヨンチョル氏(仮名)は、「李代表の発言は、支持層へのアピールを意識したものと言えるでしょう。自身の政策の正当性を強調することで、支持基盤の結束を図ろうとしていると考えられます。」と分析している。
トランプ前大統領への共感
注目すべきは、李代表がウクライナ戦争の終結や北朝鮮との関係再構築を目指すトランプ前大統領の姿勢に強い共感を示したことだ。「外国に対する援助は国家安保の脅威」と述べ、トランプ前大統領の外交政策を高く評価した。
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WSJは李代表について「韓国の次期大統領になる可能性がある」と報じ、左派性向の李代表をトランプ前大統領やバーニー・サンダース上院議員と比較している。
次期大統領選への挑戦は?
WSJは、最新の世論調査で李代表が約52%の支持率を得ていることに言及しつつ、選挙法違反事件で有罪判決を受けた場合、公職への出馬が10年間不可能になることも指摘。李代表が次期大統領選に再挑戦するかどうかは明らかにしていないと報じた。
李代表の弾劾主張とトランプ氏への共感は、韓国政局に大きな波紋を広げている。今後の動向に注目が集まる。