ヒートショック対策で冬の入浴事故を防ぐ!安全なバスタイムの過ごし方

中山美穂さんの突然の訃報に際し、改めて注目を集めている「ヒートショック」。冬の入浴時に起こるこの危険な現象から身を守るための対策を、分かりやすく解説します。

ヒートショックとは?命に関わる危険性

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に悪影響を及ぼす現象です。最悪の場合、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、死に至るケースも少なくありません。特に冬場の入浴時に発生しやすく、暖かいリビングから寒い脱衣所への移動、そして熱いお風呂への入浴という温度変化の激しい状況が、ヒートショックの大きな原因となります。血圧の急上昇と急降下が繰り返されることで、心臓や血管に大きな負担がかかり、深刻な健康被害をもたらすのです。

暖かいリビングから寒い脱衣所への移動で血圧が急上昇する様子暖かいリビングから寒い脱衣所への移動で血圧が急上昇する様子

なぜ浴室で起こりやすいのか?

冬場の日本の住宅では、暖房の効いたリビングと寒い脱衣所や浴室との温度差が大きく、平均で15℃にも及ぶと言われています。この急激な温度変化がヒートショックの発生リスクを高めるのです。

日本の住宅とヒートショックの密接な関係

日本の住宅の断熱性能の低さが、ヒートショックの発生率を高めている要因の一つであると指摘されています。「断熱」が日本を救うの著者である高橋真樹氏(断熱ジャーナリスト)は、消費者庁の統計を引用し、年間約5000人の高齢者が住宅の浴室で溺死していると述べています。さらに、入浴中に倒れて他の疾病で亡くなる方は年間約1万7000人にものぼるとも言われており、交通事故による死亡者数をはるかに上回る深刻な問題となっています。

国際基準から見た日本の住宅断熱性能

日本の住宅の断熱性能は、国際的な基準と比較すると低い水準にあります。2022年まで、日本の断熱性能基準は1~4の4段階評価でしたが、最高等級である「4」を満たす住宅は全体のわずか13%に過ぎませんでした。この等級4の基準自体も、国際的には低いレベルとされています。

中山美穂さん中山美穂さん

ヒートショックを防ぐための対策

ヒートショックによる事故を防ぐためには、住宅の断熱性能を高めることが重要です。浴室暖房や脱衣所暖房の設置、シャワーで浴室を温めておく、湯温を41℃以下にする、入浴前に水分補給をする、長湯を避ける、家族と一緒に入浴する、などの対策も有効です。また、高齢者や持病のある方は特に注意が必要です。

専門家の意見

住宅環境アドバイザーの佐藤一郎氏(仮名)は、「ヒートショック対策として、脱衣所に暖房器具を設置することは非常に効果的です。また、入浴前後の血圧の変化を緩やかにするために、ぬるめのシャワーを浴びることもおすすめです」とアドバイスしています。

冬の入浴を安全に楽しむために

ヒートショックは、適切な対策を講じることで予防できる事故です。家族みんなでヒートショックの危険性を認識し、安全で快適なバスタイムを過ごしましょう。