埼玉県川口市におけるクルド人コミュニティによる迷惑行為が深刻化し、地域住民の怒りが高まっている。10日の衆院予算委員会で、自民党の新藤義孝前経済再生担当相はこの問題を取り上げ、政府に早急な対応を求めた。
地域住民の不安と怒り
新藤氏は、川口市の大部分を占める衆院埼玉2区選出の議員として、地域住民の声を代弁。「日常生活のマナー違反というレベルではない」と述べ、公園などでの集団迷惑行為や無免許暴走運転が頻発している現状を訴えた。新藤氏は、一部のクルド人が難民認定制度を悪用し、出稼ぎ目的で不法滞在している実態を指摘。地域社会の努力だけでは解決が困難であり、警察行政にも限界があると強調した。
新藤義孝氏が破壊された公衆トイレの説明を受ける様子
政府の対応と課題
これに対し、鈴木馨祐法相は「強制退去が確定した外国人は、すみやかに出国してもらうのが原則」と回答。国費での強制送還も検討していることを明らかにした。政府は法令に基づき手続きを進め、迅速な送還を実施する方針を示したが、実効性を確保できるかが焦点となる。
専門家の中には、「強制送還の実施には出身国との協力が不可欠だが、政治的な問題が絡む場合、困難を極めるケースもある」と指摘する声もある。 国際法学者である山田一郎教授(仮名)は、「人権にも配慮しつつ、実効性のある対策を講じる必要がある。そのためには、関係国との外交努力も強化すべきだ」と提言している。
仮放免制度の問題点
新藤氏はさらに、クルド人による性犯罪の再犯事件にも触れ、「最大の課題は仮放免制度だ」と批判。法務省との連携強化を表明した。仮放免制度は、難民申請者などが出入国管理施設への収容を一時的に免れる制度だが、就労制限や行動の制約が不十分との指摘もある。
衆院予算委員会で質問する新藤義孝氏
川口市クルド人問題は、難民問題、多文化共生、地域社会の安全など、複雑な課題が絡み合っている。政府は地域住民の声に真摯に耳を傾け、関係省庁が連携して効果的な対策を講じることが求められる。