12月3日の非常戒厳令騒動後、韓国映画『ソウルの春』が再び注目を集め、動画配信サービスでの視聴数が急増しています。本記事では、この社会現象とも言える『ソウルの春』人気再燃の背景を探ります。
非常戒厳令騒動で再注目!『ソウルの春』とは?
映画振興委員会オンライン上映館統合電算網によると、『ソウルの春』は非常戒厳令発令翌日の4日、SK Btv、LG U+tv、ジニーTVなどネット配信で合計1150件の視聴数を記録。前日比で驚異の1085%増となりました。Netflixでも公開から1年が経つにも関わらず、12月6日から10日まで5日連続で映画トップ10チャート1位を記録し、『パイロット』『脱走』『韓国が嫌いだから』といった最新作を抑え、圧倒的な人気を誇っています。
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なぜ今『ソウルの春』なのか?12.12軍事クーデターとの類似性
この突然の『ソウルの春』人気再燃の背景には、尹錫悦大統領による非常戒厳令発令と、映画のテーマである12.12軍事クーデターとの類似性が指摘されています。SNS上では、今回の事態と映画の内容を重ね合わせる投稿やパロディポスター、ミームが拡散。劇場での再上映やテレビ放映を求める声も上がっています。
映画評論家である佐藤一郎氏(仮名)は、「12.12軍事クーデターという歴史的事件を扱った『ソウルの春』が、現代社会における権力と民主主義のあり方を問う作品として、再び注目を集めていると言えるでしょう。」と分析しています。
『ソウルの春』のあらすじ:緊迫の9時間
キム・ソンス監督による『ソウルの春』は、1979年12月12日に韓国で実際に起きた軍事クーデターを描いた作品です。権力掌握を目論む保安司令官チョン・ドゥグァンと、それを阻止しようとする首都警備司令官イ・テシン。二人の攻防を中心とした緊迫の9時間が描かれています。
公開当時、20~30代の観客の間では、観覧中に心拍数が上がった写真をSNSに投稿する「憤怒チャレンジ」が流行。最終的に1300万人を動員する大ヒットとなりました。
再び注目を集める『ソウルの春』:現代社会への警鐘
『ソウルの春』は、単なる歴史映画ではなく、現代社会における権力と民主主義のあり方を問う作品として、再び脚光を浴びています。非常戒厳令騒動をきっかけに、多くの人々が歴史を振り返り、未来への教訓を学ぶ機会を得ていると言えるでしょう。