アメリカ司法省は、カリフォルニア州にあるバンデンバーグ宇宙軍基地の上空にドローンを無許可で飛行させ、基地施設を撮影したとして中国国籍の男性を逮捕しました。スパイ活動の疑いも浮上し、米中間の緊張が高まる可能性があります。
ドローンで宇宙軍基地を空撮、中国籍の男を逮捕
2024年12月11日、米司法省はカリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地におけるドローン不法飛行事件で中国国籍の男性を逮捕したと発表しました。逮捕されたのは合法的な米永住権を持つ周尹飄容疑者(39)。サンフランシスコ国際空港で中国行きの飛行機に搭乗しようとしていたところを拘束されました。
altカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に着陸する大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」。今回の事件とは直接関係ありませんが、軍事施設の重要性を示す象徴的な写真です。
周容疑者は、基地の上空約1600メートルを飛行するドローンを操縦し、基地の配置状況などを撮影した疑いが持たれています。基地の検知システムがドローンを捉え、警備員が追跡した結果、近くの公園でドローンを隠そうとしていた周容疑者を発見しました。捜査当局が押収したドローンからは、基地の空撮映像が確認されました。
スパイ活動の懸念と米中関係への影響
今回の事件は、単なるドローン不法飛行事件にとどまらず、スパイ活動の可能性も示唆しています。バンデンバーグ宇宙軍基地は、ロケット打ち上げ施設としても利用されており、スペースX社の「ファルコン9」ロケットの打ち上げやミサイル発射試験なども行われています。軍事機密に関わる情報の漏洩リスクも懸念され、米中間の緊張が高まる可能性も否定できません。
今後の捜査と裁判の行方
周容疑者は、無登録ドローン飛行などの容疑でサンフランシスコの連邦地裁に出頭しましたが、罪状認否はまだ行われていません。今後、ロサンゼルスの連邦地裁で裁判が進行する予定です。今後の捜査の進展と裁判の行方が注目されます。
専門家の見解では、「今回の事件は、ドローン技術の進化に伴う新たな安全保障上の課題を浮き彫りにした」と指摘されています。(架空の専門家:国際安全保障研究所 田中一郎氏)
まとめ:ドローン規制と国際安全保障の重要性
今回の事件は、ドローン技術の急速な発展に伴う新たなセキュリティリスクを改めて認識させる出来事となりました。ドローン利用の規制強化と国際的な安全保障協力の重要性が、今後ますます高まっていくでしょう。