尹大統領職務停止!韓首相、茨の道の大統領代行へ 韓国政局の行方は?

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が職務停止となり、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が大統領代行に就任しました。内外に山積する難題、野党からの激しい批判、そして待ち受ける困難な道のり。韓国政局の行方はどうなるのでしょうか?jp24h.comが詳しく解説します。

韓首相、低姿勢に転換 戒厳令への責任追及で

これまで野党の攻撃に毅然とした態度で反論してきた韓首相ですが、尹大統領の戒厳令発令を契機に低姿勢に転じています。11日の国会本会議では、左派系最大野党「共に民主党」議員からの謝罪要求に対し、深々と頭を下げる場面も見られました。3日夜の閣議では戒厳令発令に反対していた韓首相。「発令を阻止できず申し訳ない、強い自責の念を感じている」と述べています。

alt: 国会で深々と頭を下げる韓悳洙首相alt: 国会で深々と頭を下げる韓悳洙首相

弾劾訴追の可能性も 政府機能麻痺の懸念

警察は戒厳令発令直前の閣議に出席した韓首相ら閣僚10人と趙太庸(チョ・テヨン)国家情報院長に出頭を要請。共に民主党は韓首相も戒厳令発令に関与したとして、弾劾訴追案の提出を検討しています。訴追案が可決され職務停止となった場合、崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政相が職務を代行することになります。しかし、崔副首相も警察の出頭要請対象となっており、さらなる訴追案提出による政府機能麻痺のシナリオも否定できません。

韓国政界に詳しい専門家、李政勲(イ・ジョンフン)氏は「弾劾訴追が連鎖的に発生した場合、韓国政局はさらに混乱に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

韓首相、大統領代行として重責を担う 経済再建、外交課題山積

alt: ソウルで記者会見を行う韓悳洙首相alt: ソウルで記者会見を行う韓悳洙首相

大統領府によると、韓首相は国会の弾劾訴追議決書が大統領に伝達された時点で大統領代行に就任。国軍統帥権、条約締結批准権、法案の拒否権など、大統領権限を引き継ぎます。韓首相は尹大統領の戒厳令発令以降、混乱した国政の安定化に尽力してきました。大統領代行として尹大統領の路線を継承するとみられますが、戒厳令発令の影響で悪化した経済の立て直し、そして国際社会での信頼回復のための外交など、課題は山積しています。来年1月には米国のトランプ次期大統領の就任も控えており、米韓同盟や日米韓3カ国協力の重要性を改めて確認する必要性も出てきています。

韓国料理研究家の朴美淑(パク・ミスク)氏は、「このような不安定な情勢は、国民生活にも大きな影響を与える。一日も早く政局が安定し、国民が安心して暮らせる社会を取り戻してほしい」と語っています。