新年を祝う伝統的な年賀状。しかし、近年はハガキの値上げやデジタル化の波を受け、その存在意義が問われています。本記事では、年賀状を取り巻く現状と、変化する新年の挨拶事情について掘り下げていきます。
年賀状離れの加速化
AERA dot.編集部が実施した読者アンケートによると、なんと44%もの人が今年「年賀状じまいをする(昨年よりハガキの枚数を減らす)」と回答しました。「枚数は減らさない」と答えた27%を大きく上回る結果となり、年賀状離れの傾向が顕著になっています。
年賀状を書いている人の写真
年賀状じまいの主な理由
アンケートでは、年賀状じまいの理由として以下の点が挙げられました。
- ハガキの値上がりや印刷コスト:53.7%
- LINEやメール、SNS等で新年の挨拶ができる:52.5%
- 周囲で年賀状じまいをする人が増えた:36.9%
- ハガキでの作成が大変:36%
生活経済ジャーナリストの山田花子さん(仮名)は、「ハガキの値上げは、特に枚数が多い人にとって大きな負担となります。手軽で費用も抑えられるデジタルツールへの移行は自然な流れと言えるでしょう。」と分析しています。
デジタルツールが主流に
では、年賀状をやめた後、新年の挨拶はどうしているのでしょうか? 同アンケートによると、最も多かった回答は「LINE」で、全体の63.7%を占めました。X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSは11.9%にとどまり、LINEの圧倒的な人気が伺えます。
デジタル挨拶のメリットとデメリット
デジタルツールでの挨拶は、手軽さや費用面でのメリットが大きい一方、年賀状のような手書きの温かみが失われるという声も聞かれます。 食文化研究家の佐藤一郎さん(仮名)は、「デジタルでの挨拶は便利ですが、年賀状には新年の特別な想いを伝える力がありました。その点をどう補っていくかが今後の課題と言えるでしょう。」と指摘しています。
年賀状の未来
年賀状離れが進む中、年賀状文化はどうなっていくのでしょうか? 一部では、より個性的なデザインや、AR技術を駆使した年賀状など、新たな試みも始まっています。 デジタル時代だからこそ、アナログな年賀状の価値が見直される可能性もあるでしょう。
今後の年賀状との付き合い方
大切なのは、それぞれのライフスタイルや人間関係に合わせて、最適な挨拶方法を選ぶこと。 伝統的な年賀状の良さを大切にしながら、デジタルツールも賢く活用することで、より豊かな新年のコミュニケーションを築いていけるのではないでしょうか。