元大阪地検トップの北川健太郎被告(65)による性的暴行事件。当初起訴内容を認めていた被告が、一転して無罪を主張したことを受け、被害を訴える女性検事が記者会見を行いました。司法の正義を信じ、真実を明らかにしたいという彼女の強い思い、そして性犯罪被害の深刻さを改めて考えさせられる会見となりました。
女性検事、無罪主張に「絶句し泣き崩れた」
10日、北川被告が無罪を主張する方針を明らかにしたことを受け、被害女性は「絶句し、泣き崩れた」と心境を吐露しました。彼女は「被害申告なんてしなければよかった」と後悔の念を口にし、事件によって受けた精神的苦痛、家族への影響、そして検事としてのキャリアを失ったことへの無念さを語りました。性犯罪被害を訴えることの困難さ、そして組織のトップから受けた被害であるが故の苦悩が、彼女の言葉からひしひしと伝わってきました。
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被告側弁護人「同意があったと思っていた」
北川被告の弁護人は、「事件当時、被告には女性が抗拒不能だったという認識はなく、同意があったと思っていたため、犯罪の故意がない。従って無罪」と主張しています。この「同意があったと思っていた」という主張に対し、女性検事は「性犯罪事件において、どのように主張すれば無罪判決を得やすいかを熟知した元検察トップによる姑息な主張だ」と強く批判。性犯罪被害者をさらに苦しめ、被害申告を阻害するものであると訴えました。
なぜ無罪主張に転じたのか?弁護人の説明
弁護人によると、北川被告は情報漏洩などに関するあらぬ疑いや検察庁への批判を受け、「当初の方針が間違っていたのではないか」と悩み、自らの記憶と認識に従って主張することにしたとのことです。
女性検事「自己保身のための主張」と反論、長期実刑を求める
女性検事は、被告の無罪主張は「自己保身ゆえ」だと断じ、「検察トップにいた人間が6年間、被害者の苦しみを想像せず、真に罪を償おうと思わなかったことは悲しく、情けない」と述べました。そして「被告がどのように主張しようとも真実は一つ。司法の正義を信じ、長期の実刑判決を求める」と力強く宣言しました。
この事件は、性犯罪被害の深刻さ、そして組織内での権力関係が被害申告をいかに困難にするかを改めて浮き彫りにしています。今後の裁判の行方、そして性犯罪撲滅に向けた取り組みが注目されます。 著名な犯罪心理学者、田中教授(仮名)は「組織内の性犯罪において、被害者が声を上げることは非常に勇気がいること。今回の女性検事の勇気ある行動が、他の被害者にとっての希望となることを願う」と述べています。