亀田製菓会長、日本経済復活のカギは「移民受け入れ」と提言

日本を代表する米菓メーカー、亀田製菓の会長CEO、ジュネジャ・レカ・ラジュ氏。インド生まれの彼女は、日本経済の再生には、従来の考え方を見直し、より多くの移民を受け入れることが不可欠だと提言しています。本記事では、ラジュ氏の視点を通して、日本経済の課題と未来への展望を探ります。

衰退する日本経済と移民受け入れの必要性

かつて世界経済を牽引していた日本は、近年、成長の停滞に直面しています。バブル崩壊後の「失われた数十年」から脱却できず、様々な経済対策も功を奏していません。技術立国としての地位も、アメリカ、韓国、中国に脅かされています。

altalt新潟県新潟市にある亀田製菓本社でジュネジャ・レカ・ラジュ会長。日本経済の復活への思いを語る。(2024年8月5日撮影)

40年前、世界トップクラスのGDPを誇る日本に惹かれて来日したラジュ氏。しかし、当時の勢いは失われ、世界に挑戦するハングリー精神も薄れてしまったと彼女は指摘します。高齢化と人口減少も深刻な問題です。企業は人材不足に悩まされ、今後の経済成長に暗い影を落としています。

ラジュ氏は、日本経済の再生には、移民の受け入れが不可欠だと断言します。数だけでなく、多様な考え方や文化を取り入れることで、グローバル化を加速させる必要があると訴えます。

グローバル化と日本企業の変革

altalt亀田製菓の製品。グローバル市場への展開も視野に入れている。

食品原料メーカーや製薬会社での経験を持つラジュ氏は、亀田製菓に入社後、グローバルな「コメの革新企業」への転換を推進してきました。日本には外国出身のCEOは少なく、ラジュ氏自身もその稀有な存在です。

彼女は、マイクロソフトやグーグルなど、外国出身者がCEOを務めるアメリカ企業を例に挙げ、日本企業の変革を促します。多様な人材を受け入れる柔軟性が、今後の日本経済にとって極めて重要になると強調しています。

未来への展望

少子高齢化が加速する日本において、移民の受け入れは避けられない課題です。調査によると、2040年までに外国人労働者は現在の3倍以上必要とされています。現状のペースでは、大幅な人材不足に陥る可能性が高いです。

ラジュ氏は、日本が変わるためには、外国人を受け入れるだけでなく、多様な文化や価値観を尊重する社会へと変革していく必要があると訴えます。彼女自身の経験も踏まえ、多様性がイノベーションを生み出し、日本経済の活性化につながると信じています。

日本経済の再生には、移民受け入れとグローバル化への対応が不可欠です。ラジュ氏の提言は、日本社会が未来に向けて進むべき方向性を示唆しています。