韓国大統領選:李在明氏に逆風、最高裁判決で違法性認定

韓国の次期大統領選を巡り、波乱が巻き起こっています。左派系最大野党「共に民主党」の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン)前代表に公職選挙法違反の疑いがかけられ、最高裁判所が違法性を認める判決を下したのです。この判決は、これまで追い風を受けていた李氏にとって大きな痛手となり、今後の選挙戦に暗い影を落とす可能性があります。

最高裁判決の内容と波紋

今回の判決は、李氏が以前行った発言の中に虚偽の事実が含まれていると判断したものです。李氏自身は判決を不服としており、「私が考えたものと全く違う方向の判決だ」と記者団に語りました。「共に民主党」も緊急議員総会を開き、朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は「到底理解できない拙速な判決」と最高裁を強く批判しました。

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4月の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免を受けて、李氏への支持は高まりを見せていました。しかし、今回の判決により、その流れが逆転する可能性も出てきました。李氏には今回の事件以外にも複数の刑事裁判を抱えており、「司法リスク」が改めて注目を集めることは避けられないでしょう。

保守陣営の反応と今後の展望

一方、保守系与党「国民の力」は判決を歓迎しています。権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は「真実を明らかにした裁判所の決断に深い敬意を表する」と述べました。大統領選予備選に出馬している金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相は、李氏に候補辞退を求めるコメントを発表するなど、攻勢を強めています。

韓国の著名な政治評論家、キム・ヨンチョル氏(仮名)は、「今回の判決は、大統領選の構図を大きく変える可能性がある。李氏の司法リスクが顕在化したことで、保守陣営は勢いを取り戻すだろう」と分析しています。

「国民の力」では、金文洙氏と韓東勲(ハン・ドンフン)前代表が公認候補の座を争っています。3日の党大会で公認候補が選出される予定ですが、現状では両候補とも支持率が低迷しています。

選挙戦の行方

最新の世論調査では、李氏が38%の支持率でトップに立っていますが、韓東勲氏は8%、金文洙氏は6%にとどまっています。今回の判決が、今後の支持率にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。

今回の判決は、韓国政治の不安定さを改めて浮き彫りにしました。大統領選まで残り時間は限られており、今後の選挙戦はさらに激化することが予想されます。果たして、誰が次の大統領の座を勝ち取るのか、国民の審判が待たれます。