アルジャジーラのフォトジャーナリスト、アフマド・アルロウさん(39歳)が、ガザ地区ヌセイラト難民キャンプでイスラエル軍の空爆により命を落としました。これは昨年12月に同僚のサメル・アブダッカさんが殉職してから、わずか1年後の悲劇です。紛争地における報道の自由とジャーナリストの安全確保が改めて問われています。
繰り返される悲劇:ガザで取材中のジャーナリストの死
アルロウさんは市民防衛隊の事務所に対するイスラエル軍の攻撃を取材中に巻き込まれました。イスラエル軍は同事務所を「テロ組織の司令部」と主張していますが、市民防衛隊側はこれを否定。現場は混乱を極め、真偽の確認は困難を極めています。
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アルロウさんの死は、紛争地で取材を続けるジャーナリストの危険性を改めて浮き彫りにしました。昨年もアルジャジーラのカメラマン、アブダッカさんがガザ南部での攻撃で命を落としており、悲しい出来事が繰り返されています。
標的にされるジャーナリスト:報道の自由への脅威
アルジャジーラはイスラエル軍による組織的な記者への攻撃を訴えており、今回のアルロウさんの死も「犯罪」と断じています。イスラエル軍はアルロウさんがかつてイスラム聖戦で活動していた「テロリスト」だったと主張していますが、その根拠は明らかにしていません。
こうした主張は、報道の自由に対する深刻な脅威となります。紛争地の真実を伝えるジャーナリストの安全を確保することは、国際社会全体の責任です。
犠牲になったジャーナリストの数:紛争の深刻さを物語る
米ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、昨年10月7日に始まったイスラエルとハマスの紛争で、これまでに少なくとも137人のジャーナリストが死亡、そのうち129人がパレスチナ人です。ガザ当局はさらに多くのジャーナリストが犠牲になったと報告しており、紛争の深刻さを物語っています。
続く空爆:ガザの悲劇は終わらない
アルロウさんの殉職と同じ15日、ガザ北部ベイトハヌーンの避難所となっていた学校が空爆され、少なくとも15人が死亡しました。ガザ中部、東部、南部でも空爆による犠牲者が報告されており、ガザの人々は終わりの見えない恐怖に怯えています。
紛争の終結と平和の実現、そして何よりもジャーナリストの安全確保が強く望まれます。