ウクライナ紛争：ゼレンスキー大統領、クルスク州での北朝鮮兵の死傷を主張、ロシアの隠蔽を指摘

ウクライナ紛争の長期化に伴い、新たな局面が明らかになってきました。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮部隊がウクライナ軍との交戦で多数の死傷者を出していると主張し、ロシアによる情報隠蔽の可能性を示唆しました。この情報は、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官からの報告に基づいているとされ、ゼレンスキー大統領は16日夜のビデオ談話で明らかにしました。

クルスク州での北朝鮮兵の死傷：ゼレンスキー大統領の主張

ゼレンスキー大統領の発表によると、クルスク州でウクライナ軍と交戦している北朝鮮部隊に多数の死傷者が出ているとのことです。ロシア側はこれらの損失を隠蔽しようとしているとゼレンスキー大統領は指摘しており、戦況の悪化を隠す狙いがあるとみられます。

alt=ゼレンスキー大統領

ウクライナ軍と北朝鮮兵の交戦：戦況の新たな展開

ロイター通信によると、ウクライナ軍は14～15日にかけて少なくとも30人の北朝鮮兵がクルスク州内で死傷したと発表していました。ゼレンスキー大統領の発言は、このウクライナ軍の発表を裏付けるものとなります。クルスク州におけるウクライナ軍と北朝鮮兵の交戦は、ウクライナ紛争の新たな展開を示唆しています。

北朝鮮兵の参戦：ゼレンスキー大統領の複雑な心境

ゼレンスキー大統領は、「北朝鮮兵がこの戦争で死ぬ理由は一つもない」と述べ、北朝鮮兵の参戦に対する複雑な心境を吐露しました。「残念ながら我々は彼らからも身を守らざるを得ない」とも付け加え、ウクライナ側の苦しい立場を強調しています。北朝鮮兵と交戦するのは本意ではないことを明確にし、投降を促す狙いがあると分析されています。

米国防総省も北朝鮮兵の死傷を確認：国際的な注目

米国防総省のパット・ライダー報道官も16日の記者会見で、クルスク州に派遣された北朝鮮兵について、「死者と負傷者が出ている」と述べました。具体的な人数には触れませんでしたが、米政府が北朝鮮兵に死傷者がいることを公式に認めたのは初めてです。ライダー報道官は、北朝鮮兵が約1週間前から前線に投入されているとの認識を示し、ロシア入りした北朝鮮兵の総数は1万2000人で変化はなく、ロシア軍の部隊に統合され、主に歩兵として作戦に従事していると説明しました。