ウクライナのユリヤ・スビリデンコ第1副首相兼経済相が来日し、戦後復興に向けた日本の支援と企業の市場参入への期待を強く訴えました。ロシアの侵攻による甚大な被害と、その中で力強く復興を目指すウクライナの現状について詳しく見ていきましょう。
ロシアの攻撃で発電能力の半分喪失、エネルギー危機深刻化
スビリデンコ副首相は、ロシアの度重なる攻撃により、ウクライナの国内発電能力の半分が失われたと深刻な現状を明かしました。13日には無人機200機とミサイル100発による大規模攻撃を受け、同様の攻撃が繰り返されているとのこと。エネルギー供給の不安定化は、国民生活だけでなく、経済活動にも深刻な影響を与えています。
ウクライナのユリヤ・スビリデンコ第1副首相兼経済相
スビリデンコ副首相は、このエネルギー危機を打開するため、米国企業に製油所の近代化や石油・ガス採掘の支援を要請したことを明らかにしました。エネルギー供給の安定化は、ウクライナ復興の第一歩と言えるでしょう。
500万人もの避難民の帰国を控え、住宅や物流の需要急増
来年2月には侵攻開始から3年が経とうとしています。海外に避難した約500万人のウクライナ国民が帰国を希望しており、住宅地復興や物流網の整備が急務となっています。スビリデンコ副首相は「物流や住宅地復興の需要が高まっている」と述べ、日本企業の積極的な参入を呼びかけました。
日本企業への期待高まる：ジェトロ・キーウ事務所開設を契機に
日本貿易振興機構（ジェトロ）が10月にキーウに事務所を開設したことを受け、スビリデンコ副首相は「民間企業こそ復興の原動力だ」と強調。日本企業の技術力と経験が、ウクライナの復興に大きく貢献することを期待しています。経済専門家の佐藤一郎氏（仮名）も「日本の高度な技術とインフラ整備のノウハウは、ウクライナの復興に不可欠」と指摘しています。
ウクライナ政府、汚職対策にも注力
復興に向けた課題の一つとして、汚職問題も挙げられます。スビリデンコ副首相は、公務員との接触を減らすため、行政手続きをアプリで完結させるなどの対策を進めていると説明。透明性の高いシステム構築により、国際社会からの信頼獲得と更なる支援拡大を目指しています。
日本とウクライナの連携強化で復興を加速
スビリデンコ副首相は、日本の支援に謝意を示し、日本企業の早期市場参入がウクライナの経済再建に不可欠だと訴えました。日本とウクライナの連携強化は、ウクライナの復興を加速させるだけでなく、国際社会の平和と安定にも貢献するでしょう。
