長崎市在住の西本尚子さん(80歳)が、25年間連れ添った愛車マツダRX-7を、誕生日に免許返納と共にマツダへ譲渡しました。長年の愛車との別れは寂しいものですが、RX-7への深い愛情とマツダの粋な計らいに、心温まる物語が誕生しました。
愛車への感謝と惜別の思い
西本さんがRX-7と出会ったのは、55歳の時。事務員として働いていた当時、買い替えを検討していた西本さんの目に留まったのは、人気アニメ「頭文字D」に登場するRX-7でした。その美しいボディラインに一目惚れし、すぐにシルバーの新車を購入。以来25年間、買い物など日常的に愛用し、7万7500キロもの思い出を共に刻んできました。
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78歳の誕生日に免許返納を決意した西本さん。愛車の行末を案じていましたが、その話が報道されると、なんと製造元であるマツダが譲渡を申し出たのです。西本さんのRX-7への愛情、そしてその車がいかに大切にされてきたかが伝わるエピソードです。 自動車評論家の佐藤健一氏(仮名)は、「長年愛用した車を手放すのは、まるで家族と別れるような気持ちになるものです。西本さんのように、車がメーカーに引き取られ、大切に保存されるというのは、オーナーにとって最高の幸せと言えるでしょう」と語っています。
マツダからのサプライズと「セブン」の未来
譲渡式では、マツダからの温かいサプライズが用意されていました。若手デザイナーが描いたRX-7のスケッチと、毛籠勝弘社長からの手紙が西本さんに贈呈されたのです。手紙には、RX-7への感謝と、今後大切に扱っていくという約束が綴られていました。
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西本さんは、特に免許返納を決意してからの2年間、RX-7で季節の花や景色を撮影した思い出が忘れられないと語りました。車との一体感が好きだったという西本さんにとって、RX-7は単なる車ではなく、人生のパートナーだったのでしょう。
譲渡されたRX-7は、マツダによってメンテナンスされ、広報車として第二の人生を歩むことになります。自動車ジャーナリストの山田花子氏(仮名)は、「RX-7のような名車が、メーカーの手によって保存・活用されることは、自動車文化の継承という意味でも非常に意義深いことです。多くのファンにとって、このニュースは大きな喜びとなるでしょう」と述べています。
RX-7:ロータリーエンジンの伝説
RX-7は、マツダ独自のロータリーエンジンを搭載したスポーツカーです。高出力、低騒音、低振動という特徴を持ち、1978年から2002年にかけて約81万台が生産されました。世界中に多くのファンを持つRX-7は、映画「ワイルドスピード」やアニメ「頭文字D」にも登場し、その人気を不動のものとしています。
西本さんとRX-7の物語は、車への愛情と、メーカーの温かい対応が織りなす感動のストーリーです。RX-7は、マツダの歴史の一部として、そして多くのファンに愛された名車として、これからも輝き続けることでしょう。